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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1374 校内三分の計編 34

「それじゃあ、行きましょう!」


 なんかぐいぐいとクリスの奴に腕を引っ張られて夜の街に繰り出すことに。周囲の怨嗟の目を振り払って、俺は皆よりも一足早く会社から出て行く。一足早くと言っても、既に八時くらいだ。まあ部活だと思えば……とも思うが、実際部活よりも過酷なんだよな。

 まあやりがいはあるけど……それに部活と違って実は給料もあるし。なにせ学校とは独立してる会社である。当然、部員は社員であり、稼ぎもあるから、給料だって出てる。けどそれらは実は受け取ってはいない。自分たちの給料は、卒業時に受け取ることになってる。


 学生だから過度な金額の受給は問題がある……みたいな議論がされたんだよね。自分たちには保護者がいて、生活を保障してくれてるわけだから、まだそのお金が必要ではないだろうって判断だ。大学や、就職――高校を出れば嫌でもお金は必要になってくるんだから、その時の為に積み立ててる――と言う訳だ。でも家庭環境はそれぞれで違うものだし、どうしても今必要な人だっているだろう。

 そう言う人達にはちゃんと毎月給料は支給されてる。給料目当てで日の出ジャーナルに入りたいって奴も居るにはいるしな。


「なかなか貰ってるんですね」


 しまった……なんかクリスに乗せられてペラペラと喋ってしまった。てか……こいつなんかいように近いんだよ。蒸し暑いんだからくっつかないで欲しい。夏服になったクリスはより、扇情的だ。外国人特有の出るところは出てるのに、線が細い体は健全な男子高校生には目の毒だ。


 それにスカートだってめっちゃ短い。絶対にこいつ、色仕掛けを仕掛けてきてる。まあ日の出ジャーナルの事をそこまで探ってどうするんだって気もするけど……単純な好奇心なんだろうか? でもあまりぺらぺら喋るのは不味い。

 でもこいつがくっついてくるとどうしても思考力が落ちる。女子特有の甘い香りと、柔らかな感触が思考力を奪って五感に力を注ぎ込むんだよ。だからやっぱりこいつを近くに置いとくのは不味い。普通はベタベタと触ってくるなんて、異性に対してはそうしないだろうに……やっぱりそこは外国人なのだろう。


「クリスは留学だっけ? そういえばちょっとしたお前の過去もPVとかで入れたら良いかもな。写真とかないのか?」

「あー、そういうのはないデスね」

「意外だな。お前の家族なら、そういうのバンバン撮りそうなのに」

「そう思いますデス?」

「まあ、なんとなくだけど。外国人って家族の絆って強いんだろう日本より?」

「それはどうでしょう? 家庭によって違いますデスよきっと」


 ん? なんかちょっと違和感がある……気がする。俺はこれでも日の出ジャーナルの編集長だ。それに俺は気配りの出来る男と評判……寧ろそれしかない位だ。編集長になってるのも最古参だからだしな。確かに色々と企画とか考えるし、日の出ジャーナルをまとめてるのは俺だが、動かしてのは実質会長みたいなものだ。会長は役員とかにも名を連ねてないし、給料だって勿論出てないが、日の出ジャーナルの方向を示すのは会長だ。それに俺はただしたがって来ただけだ。

 でもそんな俺でも、会長と共に、一応日の出ジャーナルを大きくはしてきた。彼女に付き合って色々といって、そして色々と取材だってしてきた。だから人の機微に聡くなったと自負してる。クリスはいつもの陽気さをかもしてる。彼女がいると、夜でもまるで光が差してるかの様……でも何か違う。と言うか、普通に自分が想像してた感じと違った。

 クリはめっちゃ家族を自慢してくるかと思った。こいつの場合、容姿に自信しか無いし、それなら小さい頃もさぞ可愛かった事だろう。なら「それはグッドアイディアです!!」とか行って乗ってくると思った。


(もしかして地雷だったか?)


 なんか俺のジャーナリストの勘がそう告げている。

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