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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1373 校内三分の計編 33

「やっぱりまだ日鞠が優勢デス?」


 なんかそこらに置かれてる資料を勝手に持ち上げてそんな事をいうクリス。流石は外国人、遠慮という者がない。いや、こいつだけなのかも知れないが……


「勝手に見るなよ。一応当事者なんだから、見せたら不味い物もあるんだから」

「ちょっと位いいじゃないですかぁ。私だって密着取材に協力してるんですよ?」


 それぞれ生徒会長選挙に立候補してる候補者には日の出ジャーナルから人手を出して取材を行ってる。取材は大切だからな。選挙中には明かせない事があるし、よくあるじゃん。ライブとかではその裏側を特典として入れるって奴が。それを狙って選挙後の為にも色々と取材をやってる。確かにそれには彼女達の協力が不可欠だ。なにせ女子高生なんて一番危ない存在だからね。


 女子高生ってだけでブランドだし、クリスも摂理さんも美少女だ。取材なんて大義名分がなかったら、こっちが犯罪者だよ。まあクリスは取材も面白がってるところがあると思うけど。


「それにちょっと位私達に情報を渡してもいいと思いますよ。だってそうしないと、盛り上がらないじゃないデスか。接戦とかになったほうがそっちとしても良いんじゃないんですか? それに日鞠ですよ? 多分、そう言う事も考えてると思いますけど」

「会長が俺達が裏切る事も計算に入れてるっていうのか?」


 その言葉を受けて、ちょっとこの場の皆の空気が変わる。なにせ皆、会長の事を信じてるからな。ここに居る奴らにとっては会長は恩人だ。そんな会長が自分たちの裏切りを想定してる……なんて聞かされちゃあな……穏やかではいられない。

 でもクリスはそんな空気なんてなんのそのだ。全然気にしてない。


「うーん、裏切りって言うのとは違うと思うデスよ? 役目ですよ。それにどれだけ盛り上げれるかは、そっちの手腕な訳で、もっと日鞠は生徒会長選挙って奴をイベント的にしたいんじゃないデス?」

「なるほど……」


 確かに会長はイベントが好きだ。今はまだいい。なにせ会長が会長であるんだから、盛り上がり続けるのは間違いない。そしてこの学校は大きくなるだろう。物理的にはないけど、その存在は首都圏でもかなり名が上がってる筈だ。でもそれを維持していくとなるとどうだろうか? 


 会長は既に自分たちがいなくなった時にまで目を向けてるのかもしれない。そもそも日の出ジャーナルが学校から独立したのも……その為……なのかも? 


「お前は、遊んでるだけじゃないのか?」

「私はどんな遊びにだって全力デスよ?」


 そういうクリスはどこまで本気か正直よくわからない。でも……実際このままではクリスでも摂理さんでも会長に勝つ……というか迫る事すら難しいだろう。それだけ皆の会長に対する信頼は絶大だ。確かに容姿では二人のほうが優れてるが、それだけで生徒会長を皆が選ぶわけじゃない。


「実際いうと、俺達だって会長を倒す術なんてわからない。そんな可能性はそもそも無いくらいだ」

「それでも戦うんですから、こっちにちょっとは配慮してくださいデス」


 手を合わせてウインクしてくるクリス。どうやったら盛り上がるか……といったら、やっぱり三人が接戦する事だろう。今の所のアンケートでは結局会長が圧勝だ。それでは盛り上がりなんてない。会長は楽しい事が好きだ。なら……まあいいのか?


「表向きは中立だ」

「勿論ですよ」


 そういってクリスはニコニコとしてる。

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