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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1372 校内三分の計編 32

「何のようですか?」

「用が無かったら来たらダメ……デス?」


 金髪美少女が、何か照れながらそんなことを言ってる。口に持って行った白く細い指先、うつむき加減の少し潤んだ瞳……それらは健全な男子高校生にとってはとても危険な代物だ。彼女のために何でもやってあげたくなる。そしてその男子がもしも権力なんて物を持っていたら……彼女のために惜しげも無く使っちゃいそうである。


(いや、自分だけど!?)


 権力……というのとはちょっと違うかもだけど、普通の高校生が持ってない物を持ってるのは確かだ。確かな地位と、そしてスクールネットワークを操作する術……それは今の彼女、クリスには有用な物だ。

 いやいや、あんな純粋そうな美少女が、そんなことを企んでる筈がない? いや、言われたから。しかも結構ハッキリと。クリスがここに来るのは何も初めてじゃない。最近は毎日だ。


 自分はかなり遅く帰る方だと思うけど、最近はクリスが待ってる。しかもご丁寧に一人でだ。

 クリスは人気者だ。いや、今回の生徒会長選挙に限って言えば、有名じゃない奴なんていない。三者とも校内で知らない者がいないくらいの知名度がある。会長は言わずもがな、もう一人の立候補者の摂理さんはその容姿で、地上に舞い降りた天使だと言われてる。

 あの容姿は誰もが好きになるしかない、ずば抜けたものがある。そこらの芸能人なんかよりもカワイイ。


 クリスも容姿はいいが、それだけじゃない。クリスはとにかく社交的だ。摂理さんは容姿は飛び切りだが、奥ゆかしいからね。クリスは逆に、とても積極的。あぁ言うのを天性の物なのだろうか? とか思う。とにかくどんな場面でも、クリスが入れば彼女が中心に立つ。明るく、元気一杯な金髪美少女――そんな彼女は人の中心に立つ才能を持ってるんだろう。


 まぁそんな彼女だからこそ、今の発言が自分をからかってるんだと分かる。その証拠に――


「ふふ、どうですかこの仕草? マンガを参考にしてみました。ビンビンきましたデス?」


 ――とか言って来る。早々にクリスが態度をかえたから、周囲からの非難なんてのはなかったが今度は日の出ジャーナルにいる純真な男子高校生が彼女の発言にドギマギしてる。てか体の一部分を空いてる方の手で押さえてる。おい……


「ビンビンって、あんたどこを指すのか分かってるのか?」


 クリスは外国人選手だ。誤用かもしれない。だからそう聞いたけど彼女は自分に近づいてきてこう言った。


「勿論、ソコデスよ」


 近づいたクリスはイタズラっ子の如くはにかんだ。こういう距離が近くてカワイイ女子に落とされるんだよな――気を付けよう。

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