表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1368/2737

1368 校内三分の計編 28

 新生徒会長への見る目がいったいいつから明確に変わったか……それはきっと彼女が就任して一学期最後の期末テストだったと思う。別にこの高校はそこまでの進学校ではない。寧ろ私立とかレベル高い高校のおこぼれを狙うというか、地元の子供達の受け皿というか……まあそんなところで、この学校に居る生徒でそれこそ一流と呼ばれる大学を目指してる人なんてそうそう居ない。


 そうそう居ないというのは、どんな高校にだって一人か二人はそんな特異な人は居るだろうからだ。でも結局はそれだけで、そしてそんな人達だって、実は井の中の蛙、大海を知らず――って事は往々にしてある。なにせレベルが違うんだ。


 本当に有名な進学校にはそれこそ天才……なんて呼べる人達が一杯居る……らしい。らしいと言うのは会長から聞いたからだ。なんか最近は近くの高校によく行き来してる。何やら夏休みにやる気のようだ。それはそれとして、新生徒会長の評価が一気に爆上がりした件だ。


 端的に言うと、上級生達の成績が爆上がりした。はっきり言って、そこまで期間はなかった。なにせ新生徒会長選挙は五月だった。それから今日まで二ヶ月くらいである。それで一気に全体の平均値が爆上げである。そんな事があり得るだろうか? 


 全体的に二十点くらいは上級生方々は上がってる。流石に個々の点数までは知らされてないが、平均値とかのデータは貰ってる。そしてこれまで調べてきたこの学校の平均学力ってのは統計として出てる。この学校の偏差値はどんどんと少しずつだけどさがってた。それはもしかしたらこの学校だけじゃなく、この国の傾向なのかも知れないが、それは大きな流れみたいな見たいなものでなるべくその流れを押しとどめる……それが精一杯だと思われてた。


 なにせ今はどんどんと所得だけではなく、偏差値でも格差が出てる世の中である。大体所得格差とかしか世間は取り上げないけど、それは事実だ。なにせ頭良い奴らは良い所に集まる。全部じゃないけど、そうなってる。そしてアホはアホで集まる。

 この学校はアホとまでは言わないけど、上昇志向が強いかというとそうじゃない。そうなると上昇志向が強いところに置いてかれるのは当たり前だ。上昇志向が強かったらなんの特徴もない区立高校なんかにこないからな。


 生徒会長に就任して彼女は不思議な事に教室から姿を消した。それは別に神隠しとかそんなんじゃないよ。そしていきなり不登校になったとかでもない。なんか聞いた所、教師が提示した一年から三年までの全てのテストで平均90以上を取ったら登校義務免除で単位もらえる様にしたらしい。


 なんか直談判してそういう事を勝ち取ったとか……いや、要するに全て90以上だったんだな~ってのも衝撃だが、そもそもそんな提案できる? しかも会長は別に遊ぶためにそれを提案したって訳じゃないってのがね。彼女は先にも行ったように、色々と会長は学校に来ずにやっている。


 それこまずは本当にレベルが高いってのを思い知らせる為に手軽いける所で一番偏差値が高い高校に上級生を連れて訪問してた。ちなみに言うと、一学期は一年はほぼ放置だった。多分自分たちにはまだ時間があるって事なんだろう。一年の場合は安定策でいってるみたいな感じ。


 時間が圧倒的に足りない三年生はもう強行策って感じで、二年生はそれよりは落ち着いてるが、変化を内部から促してるみたいな? この一年で実績を作るためには、三年生が結果を出すのが一番だ。だからこそ、会長もそこを見てるんだと思う。


 とかいう凡人の自分の考えはどうやら浅はかだったらしい。会長が……あの同年代の少女が自分の評価しか見てないなんて……本当にまだまだ自分は会長という人をわかってなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ