表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1366/2694

1366 校内三分の計編 26

「それじゃあ新生徒会長は上級生達の問題解決と、その謎のおじさん講師が評判良くて上級生達の支持を集めたと言う事ですか?」

「うーんそうですね。私は皆さんの進路希望の大学への合格の保証をしたのも多きかったかもしれませんね」


 なんかまたとんでもない発言が出てきたぞ。進路希望の大学の合格の保証? それは一体……


「えっと、そんな事出来ますか?」

「まだ皆さん半信半疑ですね。でも言うのはタダじゃないですか」


 どうやらこれは嘘……ではないが、口から行ったデタラメみたいだ。いや、いいよ。そういうのがあったほうがなんか安心する。この新生徒会長にも人間味があったんだって……出来ない事があるんだって思える。


「でもそれって今の三年生とかの未来の結果を保証したって事ですよね? 大丈夫なんですか? 受験って言ったら、人生を左右する事ですよ。流石にどんな有名な塾講師とかも保証まではしてないと思う……ますけど」


 幾ら優秀な講師でも、百パーセントを達成するなんてのは不可能だ。でも保証するって事はそれを約束してるみたいな物。もしも……もしもそれが達成できなかったら、色々と問題になるのは目に見えてる。てかお金が絡まない分、やっかいじゃないか? 塾とかがそう言う事を謳って生徒を集めるのなら、もしも未達だったら、保証でお金なんて物を渡せばまだ解決できるかも知れない。


 でも流石に学校の事で、生徒同士でお金のやり取りなんて出来ない。今から次の春が怖い。


「勿論、大言壮語にならないようにしますよ。それにもしもそんな可能性があるのなら、人はそれに縋りたく成る物じゃないですか。私はこの高校での出来事を一生の思い出に出来るようにしたいと思ってます。それは受験だってそうですよ。

 ただ、辛いだけの受験勉強なんてイヤじゃないですか。そして高校三年間は人生の中でたった一回しかない。それを私は最高の思い出にして魅せます。なので私はここで最高の三年間も保証します」

「でも任期は一年では?」

「ふふ、そうでした」


 そう言って笑う新生徒会長だけど、その態度には一年で終わる気なんかサラサラないという感じがあった。でも確かに、一年で生徒会長をやっているのなら、もうそのまま続投で良いじゃんって空気になってる気はする。政党会長なんてその程度の筈。彼女が何かとんでもない価値を、この学校の生徒会長という地位に付与しない限りは……


「そういえば、結局先輩は何をしたんですか?」

「呂鉢先輩には先生達のちょっとした弱みとかを加工して貰ったりしましたよ。それに女子生徒にちゃんとした撮影会みたいな事をやってみました。好評でしたよ。勿論盗撮的なのはないです。まだまだ眠ってるポテンシャルをもった女の子達がいるんです。そういう埋もれてる子達を先輩は発掘してくれました」

「おう、そして会長がその気にさせた。俺がそれをやると大抵ダメだが、会長は俺の為に沢山の女子生徒を説得してくれた……神だな」


 それでこんなに懐いてるのか……てかチョロくないですか先輩。まあこの人、撮ることに全てを賭けてるからな。そしてこの生徒会長選挙裏話は校内新聞に掲載された。今までで一番読まれた記事になったと言っていい。今までの校内新聞なんてのは、ほぼ誰も読んでない……それがデフォルトみたいなものだった。

 けどこの記事は違った。廊下にはたむろする生徒がいたし、教室では自分の書いた記事を話題にする人達が一杯だ。そしてネットの方では更に盛り上がってた。それがなんかむずがゆくて、ただ呂鉢先輩に巻き込まれてた入った日の出ジャーナルだったが、「なかなかいいじゃん」ってこの日初めて思ったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ