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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1360 校内三分の計編 20

「そんなかしこまらないでください、先輩のおかげなんですから、そのお礼に来たんです」

「お礼?」


 先輩のおかげって何だ? はっきり言って一番先輩を見てた自分が言うには、先輩はめっちゃやる気なかったぞ。そもそも候補者を撮影したのだって、一回だけだ。更には彼女の撮影なんてかなり適当だったような……だって「こんなんでいいんですか?」って言った記憶がある。他の二人の二年生はまあパッとはしなかったけど、ちゃんと人物を撮ってた。けど、確か彼女の場合は違ったような……確か脚だった。いや、足か。靴を履いた足をぷらぷらさせて、それを撮ってた。うん……そして校長室に飾ってある、この学校の校訓? みたいなのを蹴り破る瞬間――みたいな物だった。


 公約は『新たな風を』


 だったかな? 流石に悪乗りが過ぎるでしょう? とか思ったんだよね。先輩は確かにめっちゃ良い写真を撮るが、ソフトを使ってこら画像とかもよく作ってる。女の子を撮ることが多いから、雑誌のグラビアに、自分の撮った可愛い子の顔を合成なんてなんてのはしょっちゅうである。そんなスキルを使って遊んでるのかと……クソつまらない生徒会長選挙という物に反逆の意思を示してるのだと思ってた。

 まあ案外よく出来てたから、その後普通に後者に張られてても、インパクト有るなー位にしかおもって無かった。


「ええ、堀口君。本当は君も関わって欲しかったのですけど、呂鉢先輩がそれは止めとけって」

「ちょ!? どういう事ですか先輩!? てか何やったんですか? いや、何やらかしたんですか!?」

「おい、先輩への敬意が感じれないぞ」

「いやだって、先輩のやる事ってギリギリじゃないですか。ギリギリアウト」

「セーフだよ! アウトならここにいられないだろうが」


 まあ確かに、この学校の七不思議でなんでこの人が退学してないのかってのがあるくらいだからな。絶対ヤバいことやってるんだけどね。でもなんか退学まではいってない。ならセーフなのかと言えばそうじゃないと思うけどね。


「ふふ、仲いいんですね」

「「いやないない」」


 なんかハモった。恥ずかしい。てか、結構お堅い子だと思ってたが、そうでもないんだな。なにせ髪型とか眼鏡とかで、そう思っちゃうじゃん。わざと、そういう雰囲気を演出してるんじゃないのかと思う位だ。


「安心してください。犯罪はしてませんよ?」

「いや、そう言われると余計に気になるっていうか……」

「ふむ、まあそれが人の心理という物ですよね。それじゃあ、一つ質問して良いですか?」


 黒縁眼鏡の奥で、茶色い瞳が自分を見てる。なんだろう、別に全然可愛いなんて微塵も思わないのに、ちょっと緊張する。

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