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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1357 校内三分の計編 17

(うーん、これは何を持って日鞠かを判断したらいいんだろう?)


 門のコードを分析しながら僕はそんなことを思う。プログラムとかは書く人によって特徴が出るとか聞いたことある。祝福のコードもほぼプログラムのようなものだろう。けど僕はなんとかちょっとだけコードを弄る位しか出来ない。それに僕は、スキルとか魔法とかのコードの方をいっぱい見てきたんだよね。何せプレイヤーが関わるのはスキルじゃん。攻撃にも防御にも、それよりももっと一般的な生活とか歩行とか、普通にこの世界を便利にする上でスキルは密接だ。

 だからそっちのほうのコードとかを一杯見てきた。てか普通にフィールドに出れば、そういうの傍目で見れるし、もっと言えば、僕の目ならより細かに、それこそパッシブに常時発動してる様なスキルなんてのも見ることが出来る。沢山みれば、それだけ法則って奴は見えてくるわけで、そしてプレイヤーがどういう風にスキルを組み替えて使ってるのか――ってのが、コードの違いから見えてきたりする。


 勿論祝福を使う時の様に、スキルを改変なんて事は普通のプレイヤーには出来ない事だ。でもLROは限りなく自由で、プレイヤーの想像力に寄り添ってくれる。だからこそ、同じスキルでも面白い使い方をしてたり、いくつかのスキルは組み合わせて使ったりも出来る。勿論下手に何でも組み合わせてたりすると、逆に威力が下がったり、下手するとそのスキル自体が無駄撃ちになったりする。

 まあけど、今はネットがあるからね。そういう情報を溢れてる。でもそれにもやっぱり欠点というか、問題点はあってLROは自由を提供してるのに、ネット溢れる情報に皆が乗っかってるって事だね。今回……というか、テア・レス・テレスとのエリアバトルを前に、僕は祝福をより使いこなす為に、コードを一杯見たわけだ。それこそ、ただ一晩中、レスティアの通りに立ってたときもある。それで思ったのは、やっぱりネットで推奨されてるスキルとかは当然として、組み合わせとかまで似通ってる人達が多い。普通はぱっと見でどんなスキル構成をしてるかなんてのはわかりっこないわけだけど、僕だってただ街にいてスキルを使ってる人を見てその人の全てのスキルがわかる訳じゃないが、沢山コードを見てきたなかでなんか似てるな? と思ってウインドウ開いてネット検索してみれば、いくつかのスキルの組み合わせ候補は攻略サイトで見つかる。


 それってある意味で溢れる情報が、本来有った自由を奪ってるともいえるよね。まあつまり何が言いたいかというと……


(圧倒的にサンプルが少ないな……)


 日鞠にお願いしてちょっとお前の書いたコードをみせて――と言ったらみせてはくれるとは思う。でも絶対に何かやってる……って感づかれる。別段それは良いんだけど……きっとローレの奴は五月蠅いだろう。そうなると……ね。面倒だ。


「ちょっとこれだけじゃ、よくわからないし、どうしたら良いのかも見えないぞ」

「それでは何が必要なんですか?」


 案外こっちの言う事聞く気有るんだなこいつ。


「もっと別のコードを見たい。エリアの色んなコードをな。だから別行動にしよう。帰っていいよ」

「私が帰るか帰らないかは私自身が決めますよ。ご心配なく」


 そういってなんかなんかやけに芝居がかった風に頭を下げるメリッサの奴。ちっ、なんかこいつ苦手だから一人で良いって暗に言ってるのに、すべからく却下されたじゃん。絶対にこいつの性格とかなら、面倒だと思うと思ったんだけどな……


「面倒だし、帰っても良いよ? ローレには僕から連絡しておくし」

「確かに面倒ですよね。やっぱりちゃちゃっとアタックしませんか?」

「だから防壁みたいなのか有るんだって。こっちもヤバいし、仕掛けてる側にもきっと気付かれるぞ。運営なら下手したらアカウントBANされるぞ。テア・レス・テレスの仕業なら、まあ……それでもろくな事に鳴りそうもないけど」

「なら問題ないじゃないですか」


 メリッサはニコニコと、両手の指の先を口の前で合わせて今までに無いニコニコ笑顔だった。でも、なんか怖い。だって僕が言ったこと、穏やかな事じゃないし、そんなニコニコになる事でも無いからな。


「どういう事だよ?」


 僕はちょっと乾いた様にな喉を動かしてそういった。すると、メリッサは口角をつり上げて言い放つ。


「だって貴方なら絶対にBANされないし、テア・レス・テレスにだって顔が利く。何も問題ないじゃないですか」


 狂気……僕はこの女にそれを感じたよ。

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