表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1346/2695

1346 校内三分の計編 6

 僕はいつもと違って寂しい昼を送ってた。


「まあ、落ち着くんだけどね」


 日鞠はそもそも登校してないし、クリスと摂理は生徒会長選挙で色々とやる事があるみたいだ。取り巻き共と共にどっか行った。秋徒の奴はご飯を掻き込んだら図書室へと行ってしまった。どうやら勉強を頑張ってるらしい。まあ愛さんの為にも頑張るしか無いしな。そうなるともう……ね。僕は一人になるしかない。鈴鹿の奴は実際、摂理の生徒会長選挙に噛んでるのかわからない。あいつもまだ教室にいたからね。


 でも摂理がいないのに、あいつと話す……なんて事無いんだよね。そもそも「昼でもどうだ?」なんて言えないし。僕はそんなに社交的でもないし、積極的に女子に話しかけるタイプでもない。そんな僕が女子を弁当に誘うってハードル高い。実際教室を出て行くとき、鈴鹿と目はあった。けど、互いに何も発せずに結局はお互いぼっち飯である。いつもの教室は使わずに、外のグラウンドに続く階段にでも座って食べる。


 春だし、気持ちいい風が吹いてるから丁度良い。一人でも別段寂しくなんかはない。寧ろほっとするくらいだ。ぼっちは別にハブられてるからぼっちな訳じゃない。好きでぼっちになってるんだ。そこら辺間違えないで欲しい。グラウンドでは既に外に出て体を動かしてる奴とかいる。健康的な奴らである。野球をしたりサッカーしたり、隅っこで何かしてたり……花に水をやってたりする生徒もいる。今は春だから、花壇は花で一杯だ。桜は終わったが、次は自分たちと言わんばかりに色取り取りの花たちがその花びらを広げて主張してる。


 こう言うのも自然と咲いてるんじゃなく、実はちゃんと世話してる人達がいるんだよね。まあ花壇なんだから当たり前なんだけどさ……でもいつもは気にしたりなんかしない。視界に入ってもそこまで考えないけど、こうやって一人でいると、学校の色んな事に目が行く。実際、僕達は最初から日鞠がいたこの学校しらないから……なんとも言えないんだけど、変わったんだろうか? 


 別に日鞠がいなかった時もそんなにこの学校がすさんでた訳はない。ただ普通なだけの学校だった筈だ。でも実際、僕はずっと日鞠と一緒にいるからな。普通って言うのが実は湧かなくなってる可能性有る。普通に学校に花は咲き誇ってる物だし、普通に皆生き生きと学校生活を送ってる。そして校舎に垂らされる幕で「なんとか部、なんとか大会出場!!」とか言うの? よく見るのもまあ普通だ。

 僕に取ってはね。もう当たり前と言っていいわけだが、実際は学校の中でもかなり普通じゃない事では? と思わなくもない。実際、花壇の花ももう溢れんばかりというか……校舎ぐるっと囲むみたいにはあるし、生徒達の生き生きとした様も他の学校とは違うんではないだろうか? やりたい事、やらないといけない事、どっちでもここの生徒達は全力である。そして普通の学校はこんないつも垂れ幕掛かってないだろう。はっきり言って一月くらい事に変えられてる気がする。


 こんな風な学校になったのは間違いなく日鞠のおかげと言えて、そして日鞠の奴のせいとも言える。これから更にどうなっていくのか興味はあるけど、もしもクリスや摂理がポジション変わったとき、どうなるのか……みてみたい気もする。僕は弁当も食べ終わり、校舎に戻る。その時、限界の所には大きな掲示板があるわけだけど、そこには昼休み前まではなかったポスターが掲載されていた。摂理と、クリスの奴だ。日鞠のはまだ無い。そしてそこに群がる男子共……うん、なんかこれから校内荒れそうだなって思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ