1344 校内三分の計編 4
「これは生徒の権利デス! それをかたくなに認めようとはしないなんて! なんて生徒会は横暴なんでしょう!」
「な!?」
クリスの奴が高らかにそんな事を言いだした。するとクリス信者……とそれ以外(主に可愛い女の子が可愛い格好してるのを支持してる男子諸君)が「そうだそうだー!」と声を上げ出す。そしてそれによって盛り上がるクリス達はアップビートな曲で盛り上げていってその肢体を武器に更に支持層を獲得して行ってる。いや、まあ分からないでもないよ。可愛い女子達の上がる脚とか、揺れる胸とかね……男子高校生にはあらがえない物がある。
「横暴なんてとんでもない! 学校は健全な場で、学び舎なのです! 異性を誘惑する場でありませんし、そう言うのを使っては公平な選挙とは言えません!!」
なおも物怖じしないのはなかなかの胆力である。後ろの生徒会メンバーはなんとなく彼女から距離を取り出してるぞ。
「公平な選挙なんて物はこの世界のどこにもないデスよ! それにどうしてこれが私の実力だとわからないんデスか!?」
「こんな……こんな男子を誘惑するような事が実力ですか!!」
「それも実力デス。私にはそれだけの容姿があるんデスよ! 戦いと持ってる物を全て使う物じゃないんデスか? 勿論ルールの範囲でやりますよ。男子全員寝たりなんかしません」
「寝る!? なななななな何言ってるんですか貴女は!!」
「だって口約束よりも強固じゃないですかぁ。体の関係になったらそうそう裏切れないでしょ? まだウブな高校生なら、効果覿面デスよ!」
なんか想像して周囲の男子共が前屈みに……お前等……いや確かにクリスは可愛い。普段は知り合いになれない外国美女だ。アニメから出てきたような金髪の髪に真っ白な肌……それに蒼い瞳なんかはたまらない物があるだろう。そんな女の子に票の為に一夜を共にしたら……そりゃあ裏切れないよね。確かに口約束よりは強固だと思う。一回やれば、脅しにも使えるし。クリスほどの美女なら、彼女持ちだって落とせそうだしな。そうなると校内の男子の殆どがクリスに入れるようになる……かも? そうなると流石に勝敗は決してしまう。でもそこまでするのは違反だからしないと……
「なんて下劣な……」
「でもこっちは圧倒的に不利なんですよ? だって日鞠の支持層は多いですからね。まともにやっても勝てるわけないじゃないデスか? こっちには何も実績ないのに、日鞠は一年間の実績があります。これでまともに戦えって……寧ろズルいのは生徒会の方デス!!」
「「「おおおおお!!」」」
クリスのビシッとした指の返しに、その場にいた面々がおののく。その反応こそ、皆が納得したという証拠。これには流石の彼女も反論できなくて「ぐぬぬぬぬ」と唸るしかなかった。