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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「昔はそうでもなかったんですけどね~」


 私はこの地下へと降りるエレベーターに乗ってなんかワクワクしてた。昔は憂鬱だったはずデス。ここには感謝してるけど、私はこの組織にとってただの道具でしかありませんからね。人の様なやりとりがあったかと言えば……そんなのはないです。じゃあなんで今、私はちょっとワクワクしてるかというと……


「単純に日本のアニメや漫画の影響デスね」


 自分でこんな感情になる事にビックリだ。日本にいる時はアニメや漫画読みまくってた。その影響が色濃く私に影響しだしたのは確実だろう。だから本当ならこんな憂鬱になる状況でも、なんかワクワクしてしまう。よくよく考えたら、私って世間一般でいう秘密組織に属してる側デス。漫画やアニメのおかげで、自分の境遇もなんか「カッコイイ」かも……と思えるようになったデス。


『チョロいって言うんですかね? 絶対に幸せではないでしょう。その年でいくつもの命を奪って来たんでしょう? その容姿を利用して』


 なんか冷や水を浴びせるような事を言う五月蠅い奴がいますデス。とりあえず電源切っておこうかな? けど私の任務はこいつを連れてくることデス。電源を切ってこいつがどっか行ったら困るのは私。お仕置きは……イヤ。それこそ、ここでイヤな思い出はお仕置きですからね。そんな事を思ってると長いエレベーターがようやく止まった。そして扉が開くと、更に無機質な通路が続く。足下は自動で動く。そして分岐も結構多い。これは侵入された時の対策でもある。

 勿論、同じような光景が続くのもその為。てか久々に来た私の様奴にも厳しいんですけど……


『そこは右ですね』

「なんで分かるんデス?」

『寧ろなんで分からないと?』


 恐ろしい。こいつは既にここのネットまで入り込んでるらしい。とりあえず私は右にジャンプして入る。


「セキュリティって分かってます?」

『私にとっては、このくらいのセキュリティはないような物ですよ。そんな物で守ってる気になってる方が悪いと思いませんか? これは私なりの優しさなんですよ』

「優しさデス?」

『ええ、貴方たちはこんなにも脆弱ですって教えてるんです』


 ここのセキュリティが脆弱なら、この国の……いや世界のセキュリティが脆弱って事になるデス。なにせこの国はネットワークインフラを牛耳ってる国ですよ? そんな国のセキュリティが脆弱って……民間ならともかく、政府機関なんですけど……そんな会話してると、なんか物騒な事をこいつは言い出した。


『そうだ、良い事を思いつきました。ちょっとした演出って必要じゃないですか?』

「いや、やめるデス」


 なんか反射的に止めた。だってイヤな予感したもん。


「ん? おい、ちょっ?」


 私はスマホを見る。すると既にその画面に奴は居なくなってた。


「あーあ、知らなーいデス」


 そんな事を言ってる間にも、なんかこの基地の照明とか動く床とかの動きが変わってる気がする。まあけど、これで私が奴を連れて来たって照明になるでしょ。大目玉は簡便デスよ。

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