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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 私はキックボードにあるまじきって位のスピードを感じてる。大きく前輪が浮き上がり、倒れないようにしながら、必死に操った。チラッと後方をみると、色々と歩行者に迷惑を掛けてることが分かる。多分あの中にも追っ手はいるんだろう。けど、こう言う想定外のことが起こっても追っ手は追っ手と見破らせないために、私を追いかける……様な動作はしませんデス。そんなことをしたら一発で尾行がバレますからね。沢山の人と、そしてネットのカメラの映像とかを使って監視してる。


 でも既にネットの方は使い物にならないはず。なら人海戦術に頼らざる得ない。でも道路の方もだし、歩道の方だって、人が溢れてるところとかあるわけで……いくらこっちが日本に比べて道路的におおきいといっても、人が溢れたら同じデス。それに今の時代、ネットに頼り切りなのは、一般人も、そして私達の様な組織だって同じデス。寧ろ、私達の様な組織ほど、最新鋭の機材とか導入したり、ネットの裏道を使ったりと色々としてる分、ネットに頼ってる部分はおおきいかも知れない。


 そう考えると、追っ手は私が思ってるよりもおおきく混乱してる可能性はある。


『次の突き当たりを左です』

「了解」


 一体どうやってネットの妨害工作をしてるかは分からないが、私は普通に使えてる。こいつがナビまでしてくれる始末。とりあえず前輪も地面について安定して、全速力じゃなくても良いところまではやってきた。どこもかしこも、車のクラクションや、レスキューの音で溢れてる中、沢山の人がきっと立ち往生してるだろう。でもそんな中、私だけは違う。そこらのナビよりもよっぽど正確に、こいつは私を導いてくれている。一体どれだけの目を持ってるのか……


 色々と私は準備をしてきた。使ったのは、パンクさせる奴だけ……うん、こいつ一人いれば良いんじゃない? レベルデス。でも、それに危機感が生まれるのも事実デス。なにせこいつは簡単にネットを掌握した。この世界、今やネットが世界中に広がってるわけですよ。ということは、こいつはその気になれば、世界を掌握できる? 危険です。とりあえず今は、こいつと敵対なんてする選択肢はない。


 寧ろなんとしても協力関係を築くべきです。上だってそれを分かってる筈。こいつを私自身が運ぶような真似をするのが意味不明ですが……


「とりあえず追っ手は振りほどけた?」

『そうですね』


 建物が閑散としてきた当たりで私は茂みのほうに入った。そして変装道具を使ってちょっと外見を変える。そこまでおおきくかえることはしません。常にみられてる中ではそのくらいでは意味ない……けど、今なら追っ手の視線から外れてるのは保証されてる。服を変えて、髪もスプレーで簡易的に黒に変えた。眼鏡も掛けて、リュック自体も実は裏返して色を変えれる奴だったから、変えておく。


 問題はバイオリンのケースですね。こればっかりはをどうにも出来ない。とりあえず布で包んでおいた。これで視覚でもちょっとは追っ手を騙すくらいは出来るでしょう。きっと街の出入り口とか、当たりをつけて人を配置してそうですしね。私がキックボードを使ってるのは分かってるから、大きな道路は除外できますからね。ここで完璧に騙せて突破できれば、後は楽になります。なにせ、そうなると追っ手側には選択肢が増える。


 どこを目指したか、当たりをつけるだけでも大変デス。だからここはなんとしても確実にバレずに突破したいところデス。私はそんな覚悟とは裏腹に、とても自然に、いつも通りを装って、再びキックボードを蹴る。

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