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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ちょっとそっちにはいってください」

「おいおい嬢ちゃん。そっちじゃ目的地に遠回りになっちまうぞ」

「良いんです。お願いデス」


 私が上目遣いでお願いするとサングラス掛けた強面お兄さんがしょうがねえな~とかいって道を変更してくれる。私は車が進路を変えた時、後ろの車が着いてくるかをチラッと見る。けど後ろの車はそのまま真っ直ぐに進んでいった。私の勘違い? いや違う。そう思わせるための動きデス。その後ろの車は どうやらおってきたし、きっとさっきまっすぐ行った車もどこかでまた合流するんじゃないだろうか? 

 

 考えすぎ? いいえ、こう言う勘、私当たるんですよね。そもそもがどんなに自然にしてても、なんとなく同業者って分かる物です。


(うーん、このまま行くのは不味いデスよね?)


 仲間が現場で消してくれるのなら良い。でも、消すのも労力居るし、きっとあれは別の国の組織……か、もしかしたら同じ国の組織でも敵対してるところかも知れないデス。面倒な事に国ごとに一枚岩って訳じゃない。そうなると、消したことで弱みになる可能性もある。やはりここは撒くことが一番デス。けどだからってハリウッドみたいにカーチェイスをやるわけじゃないデスよ? あんなこと普通はしないです。流石にあんなことしてたら逮捕物ですからね。

 それにそんなことをしたらこの人の人生が終了しちゃうかも知れない。この人に罪はないですからね。まあ罪犯してそうな見た目してますけど……人は見た目だけで判断してはダメです。だから適当な所で降りましょう。別に、移動手段は車だけじゃないですからね。


 とりあえず援軍くらいは期待したいところですけど……下手に手助けするのも向こうに情報を渡すことになりますからね。派手な妨害はそれだけ重要な情報があるって言ってるような物デス。寧ろカスな情報しか持ってないとか思わせるのが一番。


(そういえばこのあたりに……)


 私はスマホを確認します。でもその画面にはいつもの見慣れた画面が現れてるわけじゃない。壁紙があってアイコンがあって……てな感じじゃなく、真っ黒な画面に文字の羅列が流れてる。そこに更にポチポチと特定の文字列を入力する事で、隠された部分にアクセス出来る。


(よしよし。これで行きましょう)


 私は舌で唇をペロってする。それを見て運転手がヒューとか言ってる。まあ私は自分が可愛いって分かってます。そのくらいサービスしますよ。


「そこで止まってください」

「良いのかい? 最初の言ってた場所とは全然違うぜ?」

「良いんです、ありがとうございます」


 そう言って私は料金を電子マネーで払って、更に現金でチップを多めに渡してあげる。これで文句はないでしょ。日本にいたから思いますけど、チップって本当面倒な文化デス。まあチップをケチケチするほどに逼迫してるわけじゃないから良いんデスけどね。でも面倒なのは面倒。


 とりあえず、それなりに人通りがある場所で降りたから、私は人並みに紛れるように歩き出した。まあこんな程度で撒けるなんておもって無い。けど撒くための準備が必要なのだ。それを整えに行きます。

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