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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 春休み。私にとって初めての春休みだ。実際、休みがなんだかちょっと残念に感じる。だってようやく私はクラスになじめてきたし、何だったら学校に馴染んで来たところだったんだ。それなのに長い休みが入ったら……私の様な人見知り体質の奴はどうやって学校で人々に接して良いか分からなく成っちゃうよ。まあゲームが出来る時間が沢山確保できるのはありがたい。ありがたいけど、今の私はゲーム以外の楽しさも見つけつつある。

 ずっとスオウと家に居られる――とかならまだ良かった。家の中でイチャイチャし続けるとか最高じゃん。けどそうは問屋が卸さないのがこの腐ったリアルって奴である。一週間の春休み。スオウは毎日どこかへ行ってる。私は休みになると、とりあえず昼までは寝るからスオウには夜しか会ってない。おかしい……休みなのに周防と接する時間が減ってるよ。


(そもそも最近のスオウは私の事おざなりにしすぎじゃないかな?)


 そんな不満が出てくる。だってだって学校がないからって、私のお世話が著しく減ってるよ! 学校では私のお世話係はスオウと鈴鹿って決まってたけどさ。最近は色々な人が私の周りに居るからそれこそ朝と放課後の登下校の時くらいだった。皆と居るのは楽しい。私はずっと一人だったし、誰かがチヤホヤしてくれるのはとても気分が良い物だ。けど……私が一番求めてる機はスオウなんだよ。

 スオウは学校で自分が煙たがられてるのを知ってる。皆に受け入れられ始めた私を見て、学校では自然と距離を取ってるのも分かってるよ。自分がいたら私が皆となじめないって、きっとスオウは思ってる。私の為だって分かってるけど……家の中でまで距離を置かなくても良くない!? 私はようやくまたスオウとずっと居られる時間が出来るって……喜んでたんだよ!


「――で、私はそんな不満を聞かされるために呼び出されたわけ?」

「だって……行き成り電話掛けられる相手って鈴鹿ちゃんしかいないし……」

「私だって暇じゃない」

「じゃあ何してたの?」

「…………読書」

「暇じゃん」

「暇じゃないから」


 鈴鹿ちゃんはファミレスで向かい合って私とデザート食べてる。今日は私が付き合わせてるし、奢るつもりだ。なにせ私はそれなりに金持ちだからね。鈴鹿ちゃんには媚びを売ってくのもやぶさかじゃないよ。私の一番の友達だからね。


「けどそういってても結局来てくれるから好きー」

「…………バカ」


 なんか私の言葉に耳まで真っ赤にする鈴鹿ちゃんが可愛い。クールなんだけど、攻めたら弱いよね。それに案外、鈴鹿ちゃんはスキンシップが好きらしい。手を握るとか普通に許してくれる。まあ普段は私は車椅子で鈴鹿ちゃんは普通に歩いてるとかだとそんなシチュエーションは無いんだけどね。けど近寄って腰当たりにしがみついても「邪魔」といわれはするけど、振りほどかれたりはしない。


 それに私が電話やLINEを送ると直ぐに返信してずっと付き合ってくれるし、長電話だっていつだって出てくれる。もう最高。このままじゃ私百合に走っちゃうかもよスオウ。そんな事を考えながら、鈴鹿ちゃんと甘い一日を過ごした。

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