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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「チルチルちゃん!」

「ごめん俺達のせいで……」

「君を守る事……出来なくて……」


 そう言ってくるのは私がこのエリアバトルのためだけに仲間……とも言えずに利用したプレイヤー達だ。三人は私の思惑通りに私に依存してめり込んで言ってくれた。色々と頭に浮かぶ疑問を吹き飛ばして使うにはのめり込ませることが一番簡単なのよね。男ってバカだから。でも別れるときが問題ではある。まあけどそれも問題は無い。だってここはLROなのだ。一回LROから出たら、フレンド登録を消して姿も変えて逃亡だ。そもそも、再びここに来る許可が下りるかもわからないしね。だからこの三人とはここまで……問題は今をどうやって乗り切るか。でもプランはある。何せ今は大規模な戦いを終わらせたあと。ならこれでいけるだろう。


「大丈夫、皆頑張ってくれました。それなのに……私は……うう」


 私はウルウルと瞳に涙を溜める。実はこれもスキルである。てかなんか元から持ってた。「落涙」ってあった。落ちる涙と書いて落涙……日本語は不思議デス。あと他にも最初からあるスキルがあったけど……まあとりあえず今はこれでいいでしょう。


「そんな、僕たちがもっとやれてたら!!」

「そうだよ! チルチルちゃんは悪くなんか無い!!」

「チルチルちゃんは頑張ってたよ!!」


 泣いてる私に動揺してる三人。チョロいデスね。LROは本当に簡単で助かります。スキル化してくれるおかげで、涙を流すのも一瞬。対象の感情の動きも私には見える。リアルでは憶測でしかないそれも、脳波をリアルタイムで計測してるLROではスキルで得られる情報は正確。このままか弱い女の子が頑張って戦って疲れたってことにすれば、誰も文句なんて言えない。


「ごめんなさい……今日はこれで……」

「あっ……うん」

「今度反省会をしましょうよ!」

「おお、それは良い提案だ。チルチルちゃん、こういうことも大事なんだよ。今度はゆっくり出来るところで反省会でも」


 おいおいこいつら、私を密室に連れ込もうとしてるよ。こんなか弱い女子を男三人で囲んでなにしようって……ナニする気か!? そんな度胸なんて無い人畜無害な奴らだと思って人選してたんだけどな。彼等も欲が出てきたのかも知れない。やっぱりそろそろ切り時だろう。これ以上私……チルチルちゃんにのめり込まれても困るしね。そこら辺のさじ加減もちゃんと見極めてこそ小悪魔って奴だ。

 私は間違えないよ。


 私は三人で盛り上がってる奴らを尻目にログアウトのボタンを押した。


(さようならLRO。それなりに楽しかったですよ)

(それは早いんじゃないですか?)


 頭の中にそんな声が聞こえてきた。

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