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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 今こそ、これまで得た彼女のコードを使う時だ。それにローレちゃんの要は精霊だ。私とスオウは契約ではなく、祝福を選んだ。祝福というのは多分私達しかいないだろう。でも契約の方はローレちゃん以外にも多分それなりには居ると思う。実は精霊との契約の実験もしてる。どっちがいいのかって正直私達二人だけじゃ症例が少なすぎてわかんないからね。

 まあ祝福はあんまり広めたくないから、生徒会の面々くらいでしかやれてないんだけど……はっきり言えば祝福は契約よりもリスクが高い。そもそもが祝福はアギトやアイリさんの時みたいに、その資格がないと祝福まで持って行けない。

 祝福をお願いしても、自分の能力がそれに見合ってないと、祝福は得られない。そもそもが祝福を知ってる人達が少ないのに、その祝福は申告制ってね……そして契約よりもその人の適性が試される。もちろん、契約だって楽ではない。

 

 なにせ契約をするためにはその精霊を倒さないといけないだからだ。でも契約はそれだけだ。試練は精霊を倒せるか……それだけ。契約するのに資質は関係ない。けど祝福は違う。だから契約は何人かが出来た。でもやっぱりローレちゃんが使ってる精霊達とはなんか違うんだよね。そもそもがはっきりと精霊を呼び出すってのが、初期の段階では無理だ。

 契約で専用の魔法とかをコードに刻むみたいだけど、最初から精霊を丸々呼び出すというのは術者に相当の負担があった。ローレちゃんをそれをいとも簡単にやってる。てか……詠唱してる? そもそもがあのフィンリルとかいうリルフィンは普段は人型で普通に歩いてるんだよね。謎すぎる。


(まあけど、そのフィンリルを捕らえられたのは幸運だったよ)


 一番特殊だからこそ、わかる事もある。ただで私の空間に閉じ込めてたわけではない。私は常に解析をしてる。なにせこの世界には常に知らないコードがあるんだ。フィンリルもその一つ。そして特殊なローレちゃんの精霊達は、きっと特別な繋がりがあるんだろうって思ってた。そしてそれは当たりだった。ローレちゃんと精霊達には特別なコードが走ってる。


 それが本当ならスオウのリセットでなくなるはずだった彼女と精霊達との絆を結んだんだろう。あり得ない? いや、目の前に実際にそれを起こしてる実証があるのなら、あり得ないなんてあり得ない。


 私は自分のコードに干渉する。そして一つの紙に封じてたそれを自分に加える。それはフィンリルから奪ってた力であり、そしてコードだ。私は手を伸ばして向かって来てたその魔法の鳥が触れた瞬間、全てのコードを支配する。そして自分の中にフィンリルのコードを通じて私はローレちゃんとの繋がりを作った。


「さようなら、ローレちゃん」


 次の瞬間、ローレちゃんの体から私に向かって来てたその魔法があふれ出す。フレンドリーファイヤーはないし、自身の魔法が自分を傷つける事は無い。けど、私は自分をローレちゃんにして、そしてローレちゃんを私と魔法に認識させた。そんな魔法がこの繋がりを伝って帰ったのだ。外から当たったんじゃない。彼女の体の内からあふれるそれを止める術はない。

 ローレちゃんは自分の魔法に食われて終わり。


「これで――え?」


 私の胸に何かがある。それは小さなナイフだ。なんか既視感がある。でもオリジン付きのナイフは私が屠った。そんなわけはない。けど、確かにそれは私の胸に刺さってる。なんの変哲も無いただのナイフが。


「たった一つでもよかったのよ――やれスオウ!!」


 風が吹く。そして私を包む風の渦。髪が一斉に後方へと流れて行くのに体は硬直したように動かない。


『これは主が残した最後の希望、終わりなさい』


 私を縛る風はエアリーロだった。彼女は実態をなくし風になって私を縛ってる。そしてその風の渦の中を彼が来る。私の目には捕らえきれない。けど……その二対の剣が私の事を確かに切り裂いた。

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