1311
テア・レス・テレスは残り私だけ。皆は私に託して逝ってしまった。私はそれに応える義務がある。まあ私の気持ち的には一度くらい負けたって別に全然良いんだけどね。そもそも今のテア・レス・テレスは一度の半僕くらいで落ちる規模じゃない。
そもそもが一番が一つしか居られないなんて決まりはないんだよね。私はよく最近はコードを眺めてる。するとLROを最初に作った人の構想が少しは見える。私にもこのLROのコードはよくわからないけど、それでも元々広かった世界なのに、まだまだ拡張したかったんだなって……そう見えるんだ。
私達のテア・レス・テレスは元のLROへと繋がってる。それはつまり私達のエリア事繋がっちゃってる訳で、ということはLROが拡張されたって事と変わりは無い。そしてそれは一番の特権なのかって……ね。私達は今の一番であって一位なわけではない。いや、普通に順位付けされちゃってるから一位なんだけど……あれは競争原理を煽るためにやったこととは知ってるし、LROを最初に作った人の思想とは外れてるんだろうなって思う。
でも……私達に追いつく人達が次々と出てきたら、自然ときっとLROは拡張されていくんだろう。LROもこのリアルとかわらない。人類はいつか本格的に宇宙に進出するだろう。そもそもが最初は人は大陸を超えることだって出来なかった。
でもそれらを超えてきて世界は広がっていったのだ。LROだってそれは変わらないと思う。確かにこれの世界を作るのは人だ。そして最初にこれを作った人はもういない。でもこの世界のリアルにも神様はいないから。きっとこの世界は育っていく。
それはきっともう止まらない。私達は最初の一つ、事例であって実験だった。あとはどのタイミングで追加するか。確かに彼等のチームに不満があるわけじゃない。大手のチームは皆等しく、このゲームを愛してるんだろう。そしてこの世界を……
「我々は必ず勝つ!!」
そう言って決死の顔で来るのはアンブレイクカンパニーのリーダーさんだ。かなりの疲労が見える。別にこの人は戦闘自体に参加してた訳ではない。皆を指揮してたから体力的には減りはない。けど、その精神はかなり疲労してるよう。
それは私もよくわかる。なにせ私も同じだし。まあ私は既に体も結構ボロボロだけどね。色々とトリック使ったごまかしてるけど……私もギリギリだよ。主にこの人のせいだ。けど最後はこうなると思ってた。そして私には既にローレちゃんの魔法は怖くはない。
まあギョクリさんがどんなアイテムを使ってくるか……でもそこも実は問題ない。だって彼は一部分を買収してる。流石は商人。どっちにも良い顔してる。勿論向こうにも惜しみない協力はしてる。九割、彼は向こうについてる。けど残りの一割を私は買ったのだ。
勿論そのことは極秘事項。墓場まで持って行くつもり。だからギョクリさんもとっておきはここでは使わない。まあアイテムは幾らみてもそれはアイテムのコードだから意味なんてないんだけど……ギョクリさんが沢山の爆弾を投げてくる。まあ直接的にダメージを与えるとなるとそれだろう。
爆弾にも価格と品質のばらつきがあるが、彼が使うなら高品質な物だろう。ここでほかの奴を使う、私と彼の繋がり疑われるしね。私は集めたコードをそれらを私に届く前に爆発させる。これで爆煙で私の姿は隠れた。まあこっちからも見えないが。
すると爆煙の中から光の球が飛んできた。とっさに避けたけど、今のはローレちゃんの魔法かな? 避ける必要は無いが、それでも最後のローレちゃんの魔法を引き出すためにそのブラフは必要だ。魔法は制御されてるのか、更にもう一つ前から来て、私が避けた奴も後方から迫る。
でも二つを制御するのはあの子にはきっと厳しい。精度が悪い。ふらふらしてる。私は視界を動かして姿をくらませてるアンブレイクカンパニーのリーダーを探す。多分彼は何かしらを狙ってる。
「今です!」
いきなり早く動きだした光の球。それが私の目の前で激しい閃光と音を出して炸裂した。視界が白に染まって、耳がキーンとなって使い物にならなくなる。
「つっ!?」
何もみえない……聞こえない。けど、その存在感は確かにある。お腹に刺さる思い拳、けど私はこれまで予測してコードを仕込んでた。アンブレイクカンパニーのリーダーの拳から何かが侵入してるけど、直接的に干渉できるなら――負けない。
「これで……揃ったんだよ……」
そういう私の目の前から、アンブレイクカンパニーのリーダーが消える。そして適当なアイテムを使ってとりあえず初心者の彼女のHPをゼロにする。アンブレイクカンパニーのリーダーが消えた事でバフも消えて残り物のアイテムでも其れが出来た。
ギョクリは肩をすくめて自分からリタイア。これで残りは……