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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「くつ……」


 不味い。これはとっても不味いよ。私たちは今、急激にその数を減らしている。そもそもがここまで残ったのがたったの二十人だった。いや、それは想定の範囲内だったはずだ。だからみんなのせいじゃないし、今の状況も、みんなのせいじゃない。

 ただ私の想定を彼らが超えて来てる……本当にそう言うことだ。個人の可能性……それを侮ってた訳じゃない。でもどこかにおごりがあったのかも知れない。スオウが、最後まで私と遊んでくれないからって、ちょっと雑になってた訳でもないよ。

 本当に。スオウなら、この戦いではそうするかなっては思ってた。ならスオウを狙えば、向こうは全員が総崩れだ。なにせもう足場なんてものはない。ここはまっさらな大空だ。紙を使って足場を作れなかったら、エレア外まで落ちていくしかない−−はずだった。それでもこうなる予想もあったし、スオウがこうするのは候補の中の一つで一番高い可能性として想像はしてたんだ。


(けど、コードの加入よりも強く確率を引き寄せてるって……)


 どうやらアンブレイクカンパニーのリーダーはかなり強力なスキルを持ってるらしい。いや、大手チームのリーダーともなればそれは当然だ。だから十分警戒だってしてた。それぞれのチームの特性から、リーダーの能力だって想定はしてたんだ。そして一番厄介なのは多分アンブレイクカンパニーのリーダーかなって思ってたけど、どうやらそれは的中した様だ。

 彼の力は想像通り、直接な戦闘系な力じゃない。全体にかかったバフもとっぴつする性能だけど、真価はそこじゃないだろう。


 男色艦隊の人や、フィギュア使ってる人の力ももちろん強力だ。油断は出来ない。でも彼らの力は他者に……敵に影響を与える系の力だから、ごまかしやすい。私のコードならばね。流石に彼らの根本に干渉なんてのは出来ないが、攻撃の端っことかをどうにかするくらいは出来る。それにここは私の領域だ。向こうは、完成してないと思ってるだろうけど、実は発動はしてる。完成してないからって、動かないとは言ってない−−みたいな?


 だから色々と向こうのプレイヤーの感覚を狂わせて、勝利へと導く予定だったんだけど……


(アンブレイクの人の確率掌握が私を上回ってるせいで台無しだよ!!)


 私の領域の感覚のズレを、あの人の未来を引っ張る力が強引に決定付けてる。


「会長!!」


 その声にビクッとした。そしてそう言った彼がビームサーベルみたいなのに一刀される。彼はテア・レス・テレスの味方の最後の一人だった。既に柱は無理だ。目の前のことに集中−−って、すべての敵が私を狙ってる。そしてきっと、アンブレイクカンパニーのリーダーのせいで未来を引き寄せられるんだろう。積んでる……けど!!


 私は最後の玉の報酬を使った。それは三十秒の絶対防御の空間を作り出すアイテムだ。これで多少の時間稼ぎが−−


「使うぞよ!!」

「おう!!」


 緑色した確かギョクリさんが、ナイフを投げたのが見えた。あれは……多分見間違いでないのなら、私を一度倒したスオウのナイフ!? いや、わかってたけどね。これもどこかで使わせようと思ってた。この一歩手前、位でね。でもここか−−いや、ここしかないか。向こうのタイミング的に。


 ナイフを受け取った男色艦隊のリーダーの人がそのナイフを領域に差し込む。その瞬間、私を守る領域が崩壊する。そして彼らの……いや、待ち構えてたローレちゃんの魔法が真っ先に迫る。

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