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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「全員、プッシュアップだ。速やかにエグゼクティブを発動せよ!!」


 は? 何だって? 何言い出すの? あいつはそんなに横文字が好きだったのか? ちょっと意外。いや、まあ、確かに出来るサラリーマンが使いそうな感じである。それにリアルのサラリーマン達の意味のないその言葉とは違って、奴の……アンブレイクカンパニーのリーダーの言葉にはちゃんとした力が宿ってた。


 アンブレイクカンパニーのリーダーのその言葉の後に私たちには強力なバフがかかったんだ。体に力が漲るのを感じる。しかもそこらのバフじゃない。攻撃力とか、防御力、スピードとかが一気に上昇した。


(でも、無駄なところもあるけどね)


 かなりありがたい強力なバフだけど、私には無意味なところの上昇もある。まあ、全体に一斉にかけるタイプのバフは選ぶことはできない。でも普通は、全体タイプは単体にかけるタイプに比べて能力的に低くなるものだけど、これはそこらへんの常識を破壊してるっぽい。全てを高レベルで上昇させてるんだ。


 これは確かに破格というか−−隠す価値があるものだとは思う。


(けど、これだけじゃないよね?)


 確かにこれは凄い。凄いけど、これだけで戦場をひっくり返す力があるかといえばそうじゃない。


「D16のチーム、右舷の奴らを止めろ! 続いて後方全員で一斉掃射!」


 私たちの包囲網を抜けようとしてるテア・レス・テレスの奴らをアウトブレイクカンパニーのリーダーの指示で防ぐ……というか、攻撃した。でもなんとか耐えた様だ。いや、今のは何か会長が介入したかもしれない。そんな気がする。


 ちなみにDと言うのはチームのイニシャルである。私は憶えてないが、確かあいつは二百人全てにチームのイニシャルに番号振ってた。チームのリーダー達にはこれを憶える様に……とか行ってたけど、私はそんなのやるわけない。

 てか実際、アンブレイクカンパニーの奴以外はそんなのを憶えてるとは思えない。まあリーダー格とは違って普通のプレイヤーは自分の番号さえ覚えておけば良いから難しくはない。番号一つ憶えておけない様な脳の容量のプレイヤーなんていないだろう。


 でもそれをとっさに言われて自分とわかるかと言われるとね……しかもこんなごちゃごちゃした中だ。スオウの風もゴーゴーなってるし、魔法もスキルも乱れてる。でも誰もが奴の言葉を聞き逃さない。どんなに離れてても、どんな状況でも皆が奴の声を聞いて動いてる。


(なるほどね、てかそんなことが出来るならもっと早くやりなさいよ)


 私はこっちのチームの動きを見ててそうおもった。今、この瞬間だけは、アンブレイクカンパニーのリーダーの采配が会長を上回ってる。どうにか策を弄して、紙を使って道を切り開こうとしてるテア・レス・テレスのその行動を先を読んでるかのように、彼は潰してる。


 それはまるでこの戦場全体の先を見てるかのような采配だ。いや、あれは多分見えてる。あいつには……未来が見えてるんだ。それがアンブレイクカンパニーのリーダーの真の力なんだろう。

アウトブレイクカンパニーをアンブレイクカンパニーに修正しました。

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