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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「あの野郎!!」


 そんな声がなんか聞こえたが、気にしない。なんかこっち側の陣営だったのはわかったけど、そんな事よりも私に雑魚を近づけるなと言いたいね。それが出来てなかったんだがら、吹っ飛ばされても文句は言えだろう。私は会長を相手にしてるのよ。


 邪魔なんて御法度物でしょ。


「やられた……」


 なんか腕がしびれる感覚がある。どうやら奴らの攻撃……コードが仕込まれてるみたい。私と精霊達の繋がりに違和感がある。でも全部を奪う時間なんてやらないよ。そう思ったとき、大きな脚が私を殴り飛ばす。障壁がなくなってた時にこの衝撃は痛い。


「リル――いえ違うわね」


 リルフィンとの繋がりはある。会長がコードをいじくって私からリルフィンとの繋がりを断ち切ったのなら、私にはわかる筈だ。つまり今のは……私が今見てるリルフィンの様な存在はリルフィンではない。じゃあ本物はどこに? なんか居なくなってる。


『エアリーロわかる?』


 エアリーロはこのエリア全体を風で見てる筈だ。なら、リルフィンがどうなったのかわかる筈。とりあえずいくつもの障壁を展開しつつ、更に別の詠唱を並列で行う。すると見えてたリルフィンみたいな奴が目の前から消えた――


「づっ!?」


 ――と思ったら、障壁を無視して私に攻撃してきた。どういう事? いや、推測は出来る。でも……そんな事……多分会長は私のコードの結構な部分を既に浸食してるんじゃないだろうか? LROは二次現象からしか、自身の魔法、仲間からの攻撃では被害を受けない。

 それはフレンドリーファイヤが起きないための仕様だ。つまり、会長はこの偽リルフィンを私自身の一部か何か――とシステムに誤認させてるんじゃないだろうか? 


 でも其れって最悪の予想が出来るんだけど? もしも本当にそんなことが出来るのなら、こっちの攻撃だってコードを知られれば、それでダメージを受けないようにだって出来るんじゃないの? 最悪の予想だけど、もしかしたら今もテア・レス・テレスの連中が二十人欠けずに残ってるカラクリって其れなんじゃ……と思わなくもない。


 だって幾ら会長が優秀というか、反則的な指揮能力を持ってるといっても、この人数差で一人も犠牲にしないなんて何かカラクリがないと不可能だ。スオウは位置を入れ替えるコードを使ってるとか言ってたけど、正直それだけじゃ役不足だろう。


 でもこれなら? これなら……そんな圧倒的に物量で負けてても同等に……いや、それ以上に戦える。こんな事が出来るなら、最初から使えよ――的な意見もあるかもだけど、最初のほうのダメージ還元みたいな奴は、こっちの数を減らす為だというなら合理的だ。


 そして今のこれが数を減らさずに勝つ方法となれば……更に合理的。歯がみしたくなる。けどちょっとワクワクもするけどね。


『ん? エアリーロ?』


 そう言えば返事がない。とりあえずノックバックがついてる魔法で追撃するリルフィンから距離を一時的にでも取って確認するが、反応はない。これはもしかしてエアリーロも? ヤバい――ちょっとそう思えてきた。

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