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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 どうやらローレちゃんはスオウをやったこと、案外頭にきてたらしい。いつの間にそんなに仲良くなったのか、ちょっと嫉妬しちゃうけどローレちゃんの場合は独占欲的な気がする。愛とかじゃなく、欲望的な。つまりローレちゃんはスオウのことを自分の物と思ってる。


 自分のチームに取り込んでるから、そんな思いがあるのかもね。本当は私だって……てか、そんな場合じゃない。私に刺さった矢は、その光を強めてはじけようとしてる。このままではやられるのは必至。だけど持ってた紙は全部飛ばされてしまった。今からコードを書くのは遅い。どう考えても間に合わない。


 なら、これを使うしかないよね。それは私自身に刻んだコードだ。さっき腕に書いた程度の即席の物じゃない。もっと根本的なコードに干渉した物。とりあえず、私は自身の座標をシステムからずらして矢から脱出する。更に矢のコードを取り込んで、発動を押さえて同じような規模の光を自身の存在の一部を利用して再現することにした。


 そしてその自身の存在の一部って奴は髪の毛だ。なにせ自身の肉体で一番無駄に多いのって毛だ。ならそれを使うのが一番だろう。私は自分の髪を一本抜いて、それにコードを転写。おそらく、ローレちゃんが想定してるであろう規模の爆発を再現する。


 もちろんそれは私には何の影響もない。そしてその中で私はインベントリから更に紙を取り出す。私のインベントリ内は全て紙だ。他に必要な物なんて私にはないからね。そして一気に紙にペンを走らせる。普通に机とかで書かないと上手く書ける筈はない。

 でもここではそんなの関係ない。いや、確かに机の方が書きやすいのは確かだよ。でも、このペン『ヨハネのペン』は自動書記だ。そして別に先からインクを出してる訳じゃない。


 不思議な物質を出してる。だからどんな所にも綺麗に書ける。でもヨハネのペンの自動書記も結構癖がある。あらかじめ私が登録した単語や文法を書くとかだ。まあ握ってれば、脳波を測定してるのか、心を読んでるのか知らないが、確かに勝手に動く。


 でもそれもまちまちというか……心の赴くままは、ただの文章でポエマーならいいけど、コードを書くとなるとね。便利だけど、かなり気を遣う。完璧なコードが私の中で求められるんだもん。皆簡単にやってるように思ってるろうけど、そんな事はないって言いたいよ。


 

「さあ、ローレちゃんを……うん? だめだね。そうじゃない。勝ちに行こう」


 私の相手は別にローレちゃんとスオウな訳じゃない。向こうが私の相手に二人をけしかけてきただけだ。あくまで私の相手は全体。二人だけと戦ってるわけじゃない。まあ私が相手したほうが皆が自由に動けるからのっかってるだけだ。


 光の中、私は六枚の紙にコードを書いた。これで私は試合を決めるよ。

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