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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 私は『召喚士』を極めてその先に行ってると思ってる。事実、私は称号に『精霊王』とある。女なのにね。けど、普通のこういう混戦ではあんまり実は訳に立たないんだよね。スオウくらい、察しよくて想定外に早かったら良いんだけど、王の力は庶民達の戦いの中では発揮しづらいものなのだ。


 なにせ私は普通のプレイヤーが使える殆どのスキルを使えない。今の私に使えるのは得た精霊達が使える力限定である。そしてそれを組み合わせたオリジナルスキルというか魔法だ。まあけど困る事はない。今ちょっと困ってるけど、私のレベルの遙か下に降りて来てるから困ってるだけ。


 普通、私くらいに制限があったらプレイヤーはこの『精霊王』なる称号を返却したくなるものかも。この称号の効果は『精霊との絆+∞』である。それしか書いてない不親切な説明である。まあけど、LROの強力なスキルな大抵不親切な説明しかない。


 制作者の底意地の悪さが見て取れる。これの裏効果で多分他のスキルを全て無効化してると思ってるからね。これのせいで全体補助魔法とか私だけうけられない。まあ自分で張った方が強力なんだけど。とりあえず今は最後のこの戦場だろう。


 奴らのこの仕掛け……こちらが与えたダメージをランダムにこちら側のプレイヤーに返すというクソ仕様をどうにかしないとヘタに強力な攻撃が出来ない。こっちのプレイヤーが何人も沈んでるのに、数で劣ってるテア・レス・テレスがまだ脱落者がいないカラクリはここだ。


 なかなかねちっこい事を考える。気付かなかったら、知らぬ間にこっちの戦力が何故か減ってくわけだし、気付いたら気付いたで、こっちの出方は消極的にならざる得ない。多分、ここらでまた一つ向こうは手を打ってくるんじゃないだろうか? 


 そう思ってると、やっぱり来た。四つに分かれたこの戦場。それぞれにそれは姿を現した。テア・レス・テレスは中央に陣取ってるのに、それが現れたのは後方だった。この四角いステージの外からあらわれたのは大きな槍をもった腕だ。腕しかない。空間から腕だけ生えてる様なそんなの。それが巨大な槍を振りかぶりながら迫ってくる。


「ローレ、後衛を頼む!!」


 筋肉だるまには悪いけど任された……なんて私はいわない。まあ守る気はあるけどね。単純に槍を振り回してるだけの様に見えるけど、それだけじゃない。槍の攻撃範囲がえげつないというか、槍自体の周囲も攻撃範囲に入ってるみたいに見える。簡単に避けるなんて事は多分出来ない。


 なら倒すか防ぐしかない。後方から出したって事は狙いは後衛? それか挟撃するため? 確かにやっかいだ。私は一回錫杖をならす。それで私自身に魔法が掛かる。それは自信の行動を加速させる魔法だ。思考も動きも速くなる。メノウの時魔法を応用して、自分の事を加速させてる。


 周囲を遅くする方はかなり弱体化しちゃったからね。だから私はこっちの方に力をいれてる。スオウとは違うスピードの形である。更に錫杖を二回続けてならして、同時並行詠唱を開始する。まずは検証が必要だ。とりあえず強力な壁と、そして眼前に生まれた太い雷撃が腕をうがつ。


「なっ……」


 いや違った穿ってない。なぜなら、なんか素通りしていったからだ。そして崩御の為に張った壁も同様で、素通りして私達に届く。


「づっ!!」


 何の意味もなさないってそんなの……あれは破壊不可能な何かって事? 考えられるのは玉の特典かな? にしても強力すぎじゃない? 破壊も防御も不可能で、こっちにダメージを与えるって……しかもこの状態で、もしもどこかでテア・レス・テレスに攻撃が通ってそのダメージがこの腕によってHPへらされた誰かに通ったら……それはもう事故……というか会長は狙ってるから事故ではないか。


 幸い私にはそのランダムの対象にはない。なら……柄じゃないけどしょうがない。


「あんた達は前衛と合流しなさい!」


 他の後衛の奴らが邪魔だ。リスクは減らして起きたい。攻撃も通らないのなら、無駄だけど……やれる事はやっておこう。そもそも久しぶりに攻撃受けてイラッときたしね。

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