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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 ギョクリさんが出してくれた札は結局使った。まあ吐き出されたら抵抗感有ったが、別にここはゲームの中である。別にばっちいとかないでしょ。それに使う時もウインドウを出して操作できたしね。なのでそれを使って風帝武装を完成させた。


 実際、なんか会長がしててこのステージ上では出来ないのでは? とかいう懸念があったが、それは杞憂だったようだ。普通に出来た。じゃあさっき出来なかったのか何だったのか気になる……が今はそれどころではない。何故なら、テア・レス・テレスの所に何か塔の様な物が出現したからだ。


 それはビルの様に空にせり上がり、硬質な鈍色の光が照り返してた。


「守りに入ったのか?」


 誰かがそんな事をいった。けどこの場面で守りになんて入るか? ここは攻める所だろう。理想的には守って攻めるとかが一番だと思う。普通ならその両立はとても難しい。でも、それを出来そうな奴らだしなテア・レス・テレスって。


 実際あれをどう攻めるのか……結構ためらう。すると別の方向からか、魔法が直撃した。けどやはりというかなんというか、びくともしない。テア・レス・テレスの面々はあの中で何をするのか……そう思ってると、壁から放題が無数に出てきた。おいおい……イヤな予感しかしない。砲身にいくつもの光が集っていく。想像通りなら、ヤバい。


「後衛は障壁を! 盾は前に出ろ!!」


 僕じゃない誰かがそう言うよ。多分さっき他のプレイヤーと言い合ってた人だと思う。本当ならギョクリさんにリーダー認定された僕がしないといけないのかもだが……そういうことってしたことなくて忘れてた。まあとりあえずあれを防がないとヤバいのはわかる。避けるだけなら簡単だが、誰もが避ける事が出来る訳じゃない。それに自分だけで戦ってる訳じゃないし、仲間は多くいてくれた方がいい。


「風帝武装を使ってるからきびしいけど……」


 僕はインベントリから大量の土の札をとりだした。それに祝福を通し、札から出てきた土の槍を組み替えて壁へとしていく。これがどのくらい役に立つかは未知数だ。けど少しでも威力を減衰できるのなら、やる意味はある。周囲の風も完全に操れるのなら、風を高密度にして風の壁とかできそうだったんだけど、今は風帝武装を作るだけで精一杯の風しかつかめてない。だからこの土の壁に頼りるしかない。


 そして全方位へと向かって放たれる光。それは想像以上だった。一瞬で終わるのかと思ったそれは、なんと一分近く続いた。砲身から攻撃が放たれるたびに強烈な光が周囲を照らすせいで目を開けてるなんて事も出来なくて、はっきり言って、終わるまでどういう惨状になってるのか全然わからなかった。

 

 音と光がやんで、周囲を確認するのがちょっと怖いと思った。でも……どうやらここに居る奴らはそんなやわではなかったようだ。


「今の内だ! 突っ込めえええええええええええ!」

「足下ならあの攻撃は出来ない筈だ! 急げ!」

「次を撃たせてはならない! 前進!!」


 四等分された場所でその場を仕切ってるだろうそれぞれのチームのリーダーが声を上げている。なら……ここは僕が言わないといけないのか? 後ろを向くと、案外皆無事だった。壁が仕事を果たしてくれたのか? それとも派手な割にはそこまでの威力だったのか……とりあえず皆の視線はこっちにある。


 別に僕を認めてくれたくれたわけじゃないだろうけど、きっかけがないと足が動かないんだろう。思ったよりも被害は少なかったといえ、さっきの攻撃は圧巻だった。なるほど、他のリーダー達はそこら辺、ちゃんとわかってるんだろう。

 だからああやって声を張り上げて、仲間達の心を鼓舞してるんだ。なら、やらなきゃだよね。僕は大きく息を吸い込んだ。


「続けええええええ!!」


 僕にはこれが精一杯だよ。

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