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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「ギョクリさん、僕がリーダーってなんで?」

「君以外にここには相応しい奴がいるぞよか?」


 そういうギョクリさんの言葉を受けて、ここに居る奴らの何人かが「ふざけるな!」といいだした。まあ実はそれ、僕も言いたい。リーダーとかそんな柄じゃないし。


「こんな奴の指示なんて聞いてられるか! 俺たちはそれぞれのチームで勝手にやるぞ」

「それでは勝てる物も勝てぬぞよ」

「そいつに従えば勝てるのか? そんなわけないだろう」


 まあそれは僕自身も思うから否定はできないよね。それに勝てなかったら僕のせんにされるじゃん。責任って奴はなるべく回避したいんですけど……だからリーダーとかもイヤなんだけどね。


「少なくとも、バラバラにやるよりは可能性があると自分は思うぞよ」

「戦えもしない奴がよくいう」

「こっちだって戦ってるぞよ。後方で支える事も戦い。思いっきり皆が戦えるのは誰のおかげぞよ」


 案外迫力があるギョクリさん。後方支援は重要だよね。すると一人がこういった。


「リーダーが必要とかそうじゃないとか、暢気に言ってる暇はないようだぞ」


 視線の先、中央に固まってたテア・レス・テレスが動き出してる。確かにリーダーがどうとか言ってる場合じゃない。


「ぬ……向こうは壁を越えられるのか……」

「そうみたいだな」


 ズルい……こっちは戦力を四等分にされたのに、どうやらテア・レス・テレスにはこの壁は関係ないらしい。厄介な。もしもそれがコードによって実行されてるとしたら……


(盗めばどうにかなるか?)


 けど僕には会長の様に紙にコードを付与するとか出来ないんだよね。それに僕ひとりが自由に動けるようになってもな。やっぱり向こうと対等になるには、この壁自体を向こうかしないと……


「リーダー云々は今はいいだろう。戦いの中で自然とそういうものは絞られていく。そうだろう?」

「ふん、勝手にやらせて貰うぜ」

「好きにするといいさ。だが、俺たちは敵じゃないっ事はわかっておけ。背中を預ける相手だ」

「足を引っ張らなかったら認めてやるよ」

 

 どうやら協力してってのは難しそうだ。まともな人も居るけど……大抵はチームごとにまとまってるから……まあ、チームごとに連携はやってるだろうが、チームを隔ててはそういうの難しいからね。しょうが無いとは思う。せめてここの邪魔をしないようにする方が重要? まあ奴らはそんな考えなのかも。

 でもバラバラに動いて一枚岩のテア・レス・テレスを崩すのは難しい。奴らだってただ戦うだけではテア・レス・テレスを崩すのは難しいってのは感じてる筈だ。


「仕方ないぞよ。それよりも何か必要な物はないぞよか? なんでもあるぞよ」

「なんでも?」


 戦場に持ち込める物なんて限られてる筈だけど? とりあえず思いついたのは風を出してくれる札だね。風帝武装ってどこでも出来る……という思いがあったから、風の札って持ってきてない。それが有れば、風帝武装が作れる筈だ。


 僕の要望を聞いたギョクリさんは「任せるぞよ!」といってカエルのように両頬を膨らませてドバッと札を吐き出した。


「持ってくといいぞよ」

「ええ……」


 ちょっとばっちいんですけど。

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