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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 どうやらさっきので十二単的な外装は使ったらしい。今の会長はお揃いのチーム服に十二単の名残の着物を一枚肩に掛けた様な状態だ。まあなんかその衣におびただしいコードがみえるんだけどね。そのせいなのか、普通に見ると、その衣は虹色に光ってる様に見える。


「あれが、完成された会長の戦闘スタイル?」

「戦闘するの? 基本、後ろに居るタイプでしょ」


 まあローレが言うことはもっともだ。会長は武器が装備できない。ヨハネのペンというアイテムの縛りだと聞いた事がある。あのペンも結構頑丈だが、武器と比べるものじゃないだろう。自動書記をしてくれるヨハネのペンだが、僕はあんまり見たことないんだよね。


 だいたい会長が自身で書いてるような? まあでも今回のこのエリアバトルに投入してきてる紙の数は膨大だ。それを流石に一つ一つ会長自身が手書きしていったとは考えづらい。それだけで重労働だし、作家とかが良くなる腕の痛みを発症するのとかになりそう。


 けどここ最近、リアルでも別に会長はそんな事を言ってなかった。ぽつりと『腕痛いんだよねー』とか言うこともなかった。だからきっと裏では自動書記として活躍してるんだろう。


「全員集まれ!!」


 会長が現れたという雰囲気に飲み込まれてた僕たちをそんな声で男色艦隊のおっさんが引き戻す。確かに四隅にそれぞれいるのは危ないと思う。こっちの方が数は多いが、分断されてるとその数の多さがいかしきれない。まあ多角的に攻められるって強みはあるけどね。でもそれなら前と後ろ……位でないとダメだと思う。見える範囲で四カ所に別れてる意味はない。

 見えないのなら、奇襲とかの意味でも良かったかも知れないが、このステージで奇襲って無理だ。まあ周囲にある階段とか、足場を使えるのであれば、戦闘が混戦した中ではある意味使える? でもそれはこちらの手じゃない。


 それはあくまでテア・レス・テレスの手段の一つだ。なにせどうやら向こうはステージの改変権を持ってるらしいし。もしかしたらそれも玉で買ったのかもしれない。ステージを好きに出来るってのはでかい。エリアバトルは自分のテリトリーでやる方が勝率高いし。


 こっちが混成だし、向こうもどでかいエリアを持ってるが公平にと運営が用意してたステージなのに、それを改変できるとは……玉様々だな。とりあえず僕たちはおっさんのところに下がろうとする。おっさんは僕たちからしたら後方右側にいる。まあ向こうもこちらに来てるし、中央らへんに集まる気なんだろう。


「せっかく意図的に分けたんだから、もう少しそのままで居ましょうよ」


 楽しそうなそんな声。それと共に。ステージの床に光が走った。それは縦と横に走り、ちょうど四つにステージを横切った。


 そしてそれがどんな意味を持つか、直ぐにさっした。


「スオウ!」

「ローレ!」


 僕とローレは同じタイミングでそれぞれに手をのばした。僕たちは直ぐ側にいた。けどその足下を光が走ってる。案の定僕たちの手が合わさる事はなかった。そう……テア・レス・テレスの会長の思惑で僕たちの戦力は四等分された。やっぱり、わざわざ戦力を分けてステージを構成したのは意図的だったんだ。


(どこまでだ? どこまで見えてる?)


 ニコッと笑う会長に恐怖しか感じ得ない。

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