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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「今の……やったのはお前か?」

「そうよ」


 僕の質問にローレは普通に答えた。いや、普通ではないか。結構悔しそうだ。それはそうだろう。なにせオルガトは召喚獣の格でも上位だしな。召喚獣なんだからもう一度招喚すればいいと思われるかもだが、どうやら召喚獣には招喚の難しさ的な物があるらしい。

 それに自分で帰したのなら、直ぐにもう一度答えてくれるらしいが、倒されたりするとそうも行かないらしい。厳密にはクールタイム……とかじゃないらしいが、なんか出てきてくれないらしい。今回はオルガトは倒された……のか? わからないが、術者によって倒されたことは帰された事になるんだろうか? 


 でも実際、ローレはもう一度オルガトを呼び出す事は考えてないようだ。


「仕方なかった。会長が乗っ取ってきたしね。ああーもう、残り三体でどうにかやるしかないわね」


 完全にローレはオルガトを戦力から外してるから、たぶんこの戦闘中にはもう呼び出せない理由があるんだと思う。オルガトが消えた事で化け物共も消えていってる。まだ逝かせきれなかった奴らは解放されてしまってる。あの中に会長がいる……


「解放された奴らを叩く。今なら体力も減ってるだろうしな」

「そうね、できる限り減らしておきなさい」


 許可も出たし、僕はなんとか空中でHP回復したり、足場に向かったりそれぞれしてるテア・レス・テレスの奴らに横やりを入れることにした。卑怯? これは戦いだ。相手が弱ってる時に回復や態勢を立て直すのを待っとく奴はいない。


 そしてそう思ってるのは僕だけじゃない。様々な攻撃が空中で的になってるテア・レス・テレスの奴らへと向かって放たれる。ここで更に数の優位をつけておく気満々だ。オルガトが出した化け物のおかげでかなり状況がこちら側に傾いた。既にテア・レス・テレスは四十人を切った数くらいだろう。

 対してこちらはまだ八十はいる。ざっと倍。このタイミングで倍の数の戦力差は大きい。今まで散々ボロ負けしてたから、実際こっち側のプレイヤーにはテア・レス・テレスへと苦手意識というか、負け癖と言うかが着いてて、いまいち勝利を信じれない奴らも一定数いたように思う。


 勿論、上の奴らはそんなの見せずに勝利を煽ってたが、この戦いの前に二回も負けてるからね。下の奴らが懐疑的になるのもしょうがない。でも、今は多分違ってる。


『今度こそ勝てる!!』


 そんな思いが皆の中で確実に芽生えた筈だ。ローレの奴は本当なら更に有利にしたかったんだろうが、それでも十分な効果はあった。勝利を信じれる。それはとても大切な事だ。でもここでやはりというか……奴はついに姿を現す。空間がめくれる様にして現れた会長は、テア・レス・テレスお揃いの隊服ではなく、豪奢な着物を着てた。まるでひな人形が着てそうな、そんな着物……十二単か? 


「全ての準備は整いました。さあ、勝利の道を進みましょう」


 僕は迷いなく、照準を会長に合わせた。手近な奴なんてこの際、無視だ。最速で会長に切り込む!! そうしないとヤバいと直感が告げてる。僕はインベントリから雷の札を取り出して、それを使って雷帝武装へと切り替えた。直線距離でもっとも速く動けるのはこれだ。そして切り込む瞬間にオリジンへと更に変える。


 このコンボは今の所僕の最強コンボと言って良い。だからこれが通用しないと……


(いや、今は考えるな。絶対に届かせる!!)


 僕は一瞬の悪寒を振り切って空を蹴った。

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