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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「むむ……」


 調子よさげにむさぼり食ってた化け物の動きが鈍る。それに対してオルガトが難しい顔をした。まあ見た目的にはよくわからないが……けど嘴に手を当ててる所作からして、そうだと思う。オルガトが難しい顔をした時点で、化け物共の動きが鈍ってる。


 何をやってるかはわからないが、一応飲み込まれた時点ではまだ皆生きてはいる。だからきっと中で暴れてるんじゃないだろうか? でもそれなら今更動きが鈍るのもおかしいか。なにせ既に結構食ってるし。それなのに今更暴れた位であの化け物は動じないだろう。

 このタイミングで動きが鈍ったって事は何か別の事をやってる? ここからじゃ、流石にわからない。あの化け物、コードも見たことない感じだし……推測も難しいな。


「これは……ははっマスター、どうやらやられちゃったっすよ」

「暢気な事言ってないで、さっさと冥府に送りなさい。そこに居るのなら都合が良いでしょ!!」


 何やらオルガトとローレの奴がそんなやりとりをしてる。説明を求めたいが、なんか口を挟める雰囲気じゃない。というか……ローレの奴がここまで余裕なくなるのは初めてみた。ローレの奴は中で何をやってのかわかってるみたいだ。


「そんなまさかっすよ! この速さは異常っす!! あああ~、見られてるうううううう!!」


 なんかオルガトの奴が両手で自身の体をだいて、なんかくねくねしてる。何が起きてるかわからないが、こいつは遊んでるのか? それにしてはローレの奴の額の汗がやばい。


「ちっ、あんた帰れる?」

「無理っすよマスター。冥府を通して浸食されてるっす。そろそろ、マスターをマスターと思うのも限界かも?」

「安心しなさい、その瞬間に殺してやるから」

「はっはっは!! やっぱマスター最高っすわ!!」


 どういうことかわからないが、二人の会話から不味い事が起きてるのはわかる。会長はこれも想定してた? あいつならやりそうだが、それでもオルガトの力を紙にあらかじめ書いた程度のアイテムでどうにか出来るとはおもえない。


 たしかに会長は僕よりも祝福の扱いが上手い。それは認める。けど、だからって紙に書いた事はそれ以上の事はできない。オルガトのコード……そしてその力はオリジンの系譜で、はっきり言って僕には全然理解できない域の物だ。

 会長ならそれでも理解できておかしくないが、それはこの場に居れば……だ。テア・レス・テレスの面々に持たせてる様な奴でオルガトのコードを掌握するなんて出来る筈が……


(いや……待てよ)


 さっき、二人はどんなやりとりしてた? 確か「冥府に送れ」とか「そこに居る」とかローレは言ってた。つまり……会長がいるのか。会長はあの化け物の中にいる! 


「おい! ロー」


 僕がそれを確かめるために声を掛けようとしたとき、オルガトの奴に肩を掴まれた。そしてこっちをまっすぐに見てくる。


「こりゃあ、想像以上ですわ。オリジンの為の力は渡しておくっすよ。けど言っておくっす。オリジンも絶対じゃない。俺っちの力なくして扱えてないようじゃ、それはまだ……まだって事っす。マスターを頼むっす」

「おい!」


 次の瞬間、オルガトの雰囲気が一気に変わって、攻撃の予兆を感じた。けどそれが行われる事はなかった。何故なら、次の瞬間、オルガトがクリスタルみたいなのに包まれて、それが幾重もかさなり、そしてそのまま消えていったからだ。


「ない?」


 いつの間にか、自分の肩についてた重りが消えてた。まさか最後の最後にオルガトが持って行ってくれたのか? 代わりに体の奥にオルガトの力をかんじる。ウインドウを開くと『オルガトの力の残滓』みたいな項目があった。これがある間は、安定してオリジンを使える……筈だ。


 でも、オルガトが言ってた事が引っかかる。

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