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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 大質量のドリルがスオウをうがつ。その光景を私ははっきりと見ました。さっきの「心配すんな」的な顔は何だったのかと言うほどにはっきりと。


 私には力がないデス。あの異世界行き隊のリーダーさんは思いがあれば、この世界は答えてくれるといったけど、私にはそんな思いはありません。叫んでるけど、別段感情を出して叫んでる訳じゃない。そういう風にみせてるだけ。

 だってチルチルちゃんはそういう子だから。それに心のどこかで思ってる。


(こんな所で終わらないでしょうスオウ?)


 って。見せてほしい、可能性って奴を。彼が人を引き付ける、その大きな何か。私は正直、半信半疑なんだ。確かにちょっと特別だけど、そこまで気にする必要もない存在だとも思ってる。だって学校では別に普通の学生だし。スオウよりもよっぽど日鞠の方が存在としてヤバい。

 けどその彼女だって彼にメロメロな訳で、きっと何かある。私はただ学生生活を楽しんでるだけじゃないのデス。ちゃんといつだって観察してる。

 それでもやっぱりリアルではわからない。これ以上の評価ができない。だから、ここでもっと興味持たせてほしい。涙を流しながら、私は内心でわくわくしてるよ。追いつめれは゛、追いつめるほどに、人はその本性を曝け出す。本当にスオウにはそれだけの価値があるのか……私に見せてよ。


「やった! やりましたよ会長! やはり奴なんて必要ない!! 会長には我々さえいれば――なに!?」


 そんな事を叫んでた人の胸の辺りに、突き出す光の刃。スオウ? いや、違う。背後に誰かがみえる。錫杖をもった幼さが残る女の子……あれはスオウが抱えてた筈のローレでは? 何やら話してる様だけど、更に光の刃がテア・レス・テレスの人を無数に貫く。それできえていった。更にローレが手を掲げると、その光の刃が無数に降り注いでくる。


 それはどの戦場にも降り注いでるようだ。背後の方で色々と聞こえます。けど、こっちから目を離す事なんかできないデス。追いつめてた筈なのに、一転してローレのせいで、攻守が逆転した形です。スオウ達を囲んでたテア・レス・テレスの人たちは光の刃を避けたり、魔法で防いだり忙しそう。そこに一筋の風が吹くのを私は感じました。


 風が私の頬を優しくなでた瞬間、それが見なくてもスオウだって感じた。いつの間にか、ドリルに貫かれたスオウの姿はなくなってるデス。一体どういう事かわからないけど、きっと分身とか使ったんじゃないでしょうか? そしてスオウは空を駆けてローレの攻撃から逃げたり、身を守ってる奴らを切り刻んでいく。連携がガタガタの今、スオウのスピードに対抗できる奴はいないデス。


「なるほど……」


 まだスオウに固執するまでの事はわからないけど、この場所で警戒するべきあいて、そして敵の脅威になってるのは理解できました。真っ先に倒そうとしたり、戦場から遠ざけたり、そうする理由……それに納得デス。あの二人はこの戦場でも異質。


 特にスオウよりもあのローレという少女のほうがヤバそうですけどね。実質、戦局を一瞬で覆したの彼女デス。それにやったのは大規模な魔法を行使しただげで、それからは動きもしなかった。雑魚の掃討はスオウに任せてるみたいな感じでした。


 それらか向ける視線は戦場全体だった。きっと彼女はこの戦場の先を見ようとしてます。見た目は可愛らしい少女だけど、中身は全然違う。あれも警戒した方が良さそうデス。

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