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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 水から抜けた。雷帝武装を使ったおかげで一瞬だった。眼下には空が広がってる。このエリアはやっぱり全域が空のステージなんだろう。そこに水なんてものを持ってきたのはやっぱりテア・レス・テレスとみて間違いない。何の意味があったのかはわからないが、会長のことだきっと意味はあるんだろう。


 眼下には戦いの場が広がってた。けど最初の様なドーナツ状の戦場ではない。どうやら立体的になってるらしい。小さな足場や階段で行き来できる感じで、その先に転々と広い場所がある。そこでテア・レス・テレスとの戦闘をやってるみたいだ。


 でもテア・レス・テレスはこのステージに誘導したんだろうに、お互い同じくらいの数で戦い合ってる感じだ。足場があれなら、直ぐに大量の救援なんて無理なんだから、どこかに戦力を集中させて、数を減らしていくものじゃないか? 

 それをやってない。寧ろ正々堂々みたいな勝負してる。でも……待てよ? 


(それで拮抗してる?)


 確か、地の力ではこっちが上回ってなかっただろうか? それぞれのチームのトップだっている。少なくとも、そこらは優勢になっててもおかしくない筈だが、ぱっと見た感じ、どこが優勢とかなさそうに見える。寧ろじわじわと追い詰められてみたいな? 


「厄介ね。あんなに離されると合流も私たち以外無理じゃない?」

「何言ってる? ちゃんと足場あるぞ」

「え?」


 もしかしてローレには見えてない? 


「透明だから見えにくいかもだが、確かに足場はあるぞ。よく見ろ」

「確かに、あるようにみえるけど……」


 どうやら足場透明だから見えにくいらしい。僕にははっきり見えてるからその意識がなかった。って

そういうことか……


「あのステージを立体的に使ってるのはテア・レス・テレスだけなんだ」


 こちら側は目の前の敵にいっぱいっぱいってのもあるだろうが、あんまり気付いてる奴がいなんじゃないだろうか? それに対して、テア・レス・テレスはその構造を完全に把握してるのか、上手く行き来してる様にみえる。しかもどうやら隠密スキルに長けた奴らがやってるな。


「こ、来ないで!!」


 そんな声が聞こえた。視線を向けると、狭い足場の端っこで、敵に追い詰められてる女の子がみえた。まあ、こっちの奴らも全員あれに気付かないなんて訳ないだろう。でもそれはテア・レス・テレスも想定してるのは当然だ。


 そもそもが足場狭い。むやみに足場に逃げる事は危険だ。それもきっと罠なんだろう。そして彼女はその罠にかかったと見える。一見すると初心者みたいに見える子だ。格好は後衛だし、回復担当ならおかしくない? いやおかしいだろって思う。二百人選べたと言っても、そこに初心者をいれるか? 


 まあけど、回復役と言うのは貴重だ。ここで脱落させるのはもったいない。


「ローレ、離すぞ」

「私を捨てて他の女のところに行くんだ?」

「その言い方止めろよ。そもそも気にしてなんかないだろう」

「まあね。けど本当なら、そのまま戦場に突っ込んで強そうな奴を一撃で沈めてほしかったんだけど?」

「散々やったその手口に今更テア・レス・テレスがやられるか」

「まあ……そうね。ならさっさといきなさい。いつまで私を抱いてるのよ」


 こいつ……捨てるとかなんとか言いながら、いつまでとか言いやがる。もういいや、さっさと僕はローレを空に投げ出して、残ってる雷帝武装で追い詰められて足場を踏み外した彼女を救いに行った。

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