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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「どのくらい進めそうだ?」

「半分持てば良い方じゃない?」


 半分か……そこまでいければ十分かもしれない。まあ半分がどのくらいか、よくわかってないんだが……この水、一体どれくらいあるのか……でも下にもステージが広がってるんだろうし、なら終わりはあるわけで、延々と水が続くわけじゃない。


(風で道を作るとかいけるか?)


 風のうねりを通れる位に大きくして水中に通せばどうだろうか? いや、でも風や炎とか、稲妻やら形が曖昧というか、そう言うのって物質としての質量を持ってる物に弱い。風や炎や雷とかで防御するよりも土で壁作ったり、氷を間に挟んだり、水を緩衝剤にするとかのほうが確実だし楽なのはそれが確かに存在としてあるからだ。


 つまりこの水の中は水という物質で全方位埋まってる訳で、それはこれだけデカい船を潰すほどの水圧までを持ってる。確かに風で一瞬は穴を開ける事は出来ると思う。けど、それを維持するのは無理だろう。


(一瞬で駆ければ……)


 それこそ僕の得意分野だ。スピードが僕の専売特許な訳だしね。でもそれでも確実に出来るか……唯一確実にいけそうな案はある。


(雷帝武装なら……)


 雷帝武装なら、直線移動だけは風帝武装に勝る。どうせ風の道はまっすぐにしか出来ないだろう。ぐにゃぐにゃとさせる余裕なんてあるわけないし。なら道を作った後に風帝武装から雷帝武装に切り替えて走りぬければ……


「お前、リヴァイアサンを呼ぶ気はないんだよな?」

「ないわね。だって上限は三体だもの」


 この戦いの前にチームのトップ達と話したときに、今回投入する召喚獣の数は三体だと決めてた。だからそれがあるからローレはリヴァイアサンを出す気がない。出してくれたら、こんな水なんて問題にならないんだが……その気がないならしかたないだろう。


「私を濡れさせずに通り抜けられる案はおもいついた?」

「風の道を作ってそこを雷帝武装で駆け抜ける」

「まあ、素晴らしいごり押しだ事。優雅さの欠片もない」

「うるせえ」


 ならもっとこの船を強化して最後まで持つようにしてほしい。ローレのことだし、実は出来てもおかしくないとおもうが……


「それで、弱っちいスオウはそんな力押しにも私の偉大な力が必要なのかしら?」


 こいつ……いや、ローレは僕の力の事、よくわかってる。このLROでプレイヤーでやり合いたくないの一位は会長とローレが同率一位だ。こいつにはほとんど全ての手の内晒してるし、切り札のオリジンだってこいつがいないと……正確にはオルガトいないと完成形にならない。

 完全に頭上がらないんですけど? まあそこまでへりくだってもいないけどさ。


「雷帝武装に必要な雷を準備しててほしい」

「はいはい」


 アイテム欄には持てるだけの札を今回も持ってきてる。けど、雷帝武装にまで持っていく為には大量の札が必要だ。それを小さなローレに抱えさせとくのは難しいし、札から発動させるのもラグがあるし、それを全て自分の雷にするのもわずかばかりの時間を要する。それこそコンマ何秒かだが、その一瞬が重要だ。


 厳密には他人の魔法を自分の物にする方が実は難しい。当たり前か。けどローレのなら問題はない。何せ沢山食らってる……のもあるが、ローレの魔法の事を僕も理解してるが大きいし、仲間内なんだから色々と……ね。出来る手は打ってるさ。

 実際あの老人に見せたくないから、何枚かアイテム欄から札を取り出してそれをつかうかのようにみせておこを。


 そろそろ船が限界なのか、響く音がやばい物になってる。もう限界だろう。このままここにいたら、船の壁とかに挟まれて押しつぶされそうだ。


「そうだ、エアリーロの風も寄こせよ。上にいるエアリーロは必要ないだろ?」

「まあエアリーロが良いって言ってるし、貸してあげる」


 フラングランにエアリーロの色の風が加わる。確実に風の密度が跳ね上がったのを感じる。僕はローレを背中に側にやって首に腕をまわして貰う。


「しっかり堪能して良いわよ?」


 僕はそれに応えない。集中してるんだから余計な雑念を挟むなよ。ローレはまだ小さいが小さいけど当たる面積が大きくなるとそれは一応感じる訳で……ってそうじゃない。僕は気を取り直して下に向かって飛んだ。


「保護を解除するわ」

「いっけええええええええええ!!」


 両手ににぎったフラングランを外側から内側にクロスして振るう。クロスさせた中心から風のウネリが発生して船を突き破って水中を突き進む。


 その瞬間、ローレが保留してた魔法を発動させる。一言もなかったが、正しい。そんなの求めてない。体中を雷撃の鋭さが走る。その中で周囲の光景がゆっくりと見えてた。水しぶきの一つ一つさえみえる。風帝が雷帝へと切り替わる。


 その瞬間、僕とローレはその場から雷が落ちたときの轟音を置き去りにして消えた。

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