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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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(プレイヤー? いや……)


 空間から蜃気楼のように現れた枯れ木の様な老人。怪しさ満点だが、敵意はないのか? 僕たちに攻撃することはない。でもこんな船にいたのに敵意はないとか信じられない。この老人の名前とかHPとか確認しようと思ったが、表示されない。ステータスを隠す事は出来る。そういうスキルがあるし、ステータスをモロだしにして歩くなんて、そんなのLROでは丸裸で街を闊歩してるのと変わらない。


 だからある程度の隠蔽は可能だ。まあ普通ではHPとMPと名前とか以外見えないけど、ステータスを鑑定するスキルは当然の様にあるから、その対抗手段も勿論ある。僕は実は持ってないけどね。そもそも僕のスキルってLROの中ではかなり少ない方だ。

 それに特殊なのが多い。隠す意味もないかなって……ね。でも普通はそういうスキルを取るのは絶対だ。前提条件といって良い。でもそういう隠蔽スキルでも、全てを隠すなんて事は出来ない。高度になると、ステータスを相手にどう見えるか改ざんできるとは聞いたことあるけど……


「おい、ローレどう思う?」

「あれはスキルじゃないわね」


 という事らしい。どうやって判断してるのかわからないが、ローレが言うのならそうなんだろう。ならあの表示はなんだ? 見たことないぞ。そもそも何も表示されないってなんだ? そこにいるんじゃ――


「映像かなんかか?」


 ――ハッとしてそういった。それなら納得できる。突然蜃気楼の様に現れた事もステータスが見えないのも、それなら納得出来るというものだ。


「ふぉふぉふぉ、儂はここにおりますよ。たしかにここに」


 そういう老人。けど、それを信じるほど、僕たちはお人好しじゃないぞ。どっちかというと、僕もローレも疑り深い人間だ。


「何が目的? 私たちを止めに来たんでしょうけど、姿隠せるのなら、不意打ちした方が可能性あったわよ?」


 堂々と仁王立ちしてそういうローレ。こいつ、可愛らしい見た目をしてるくせにやけにそういう態度が似合うんだよな。来てるのも綺麗なローブとかで、どう考えても控えめな感じの人が着るような服のイメージかあるのに、ローレの奴が取る行動に違和感を持たない。


「ここに来られた時点で儂には何も出来ませぬよ」

「じゃあ、何してきたのよ?」

「何も出来ませぬが、儂の役割は一つなのですよ」


 そう言って老人は皺だらけの顔をにやっとする。それを見てローレが叫ぶ。


「スオウ、それ壊しなさい!」


 それというのは、中央に鎮座してる青い宝石の様なものだろう。確かにあれがこの船の動力源みたいだし、それを壊せば、この船は止まるだろう。僕は一瞬でその宝石をフラングランで真っ二つに切り裂いた。


「ふぉふぉふぉ!! ありがとうございます。本当に察しがよくて助かりますぞ。あの方の思い通りに動いてくれて感謝感激の極み!!」


 老人はそう言って両手を広げて天を仰いでる。大きく船が揺れて船体に亀裂が入ってく。これがあの老人の狙い? こんなことしても、僕たちを倒せる訳じゃないだろう。なのに……わからない本当の狙いはなんだ?

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

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