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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 ウンディーネ達の作る渦に逆らえる奴らは敵味方双方に誰も居ない。流石にこれにはあのフィギアたちもあらがえてない。


「「「チルチルちゃん!!」」」


 そういって手を伸ばしてくる私の護衛達。三人は私の事を仲間とか思ってるんでしょうね。残念ながら私は便利な駒としか思ってないんデス。三人が伸ばしてくる腕……私はそれを見て誰の腕も取ることはなかった。だってここで誰かを選ぶようなことをしたら、三人に亀裂が入るかもしれないじゃないですか。


 別に私はそんなことをしたいわけじゃない。三人は私と知り合う前から三人でLROをやってた。そこには確かな友情があるんだと思う。そこに私が入った。入り込んだと言って良い。丁度よかったら、不慣れな初心者を演じて近づいたんだ。


 三人はこっちの狙い通りに動いてくれた。私の事をただうぶな初心者と思って色々と教えくれる都合の良い存在でした。悪いとは思ってるけど、申し訳ないわけじゃない。どうせこの戦いが終われば私達の関係は終わりデス。都合の良いように使って都合の良いように見切る。


 けど、そんなのこういう場所では普通ではないだろうか? 勿論ちゃんと釈明はする。向こうはこっちのプライベートなんか知らないんだ。まあちょくちょくと良家のお嬢様って設定を節々に匂わせてたのは、分かれるときのための伏線である。


 家の都合で――そんな一文を送れば後腐れも無いだろうっていう打算だ。三には良くも悪くも普通だ。普通の男って感じ。別段特別って感じは全くない。ただ本当に仲良し三人組。リアルでも知り合いなのか聞いたら、別にそんなことはないらしいのは意外だったデスね。


 三人はそれぞれ離れた方向へと流れていくデス。けどそんな中、一人が私を抱き寄せた。あらら……まあ完全に一人になったら困るししょうが無いデスね。てかこの渦はいつまで周囲を巻き込んでるつもりなのか……どんどんと中央に皆が集められて行ってる。


 こんな中でも戦ってる奴はいる。ちゃんとした水中のスキルを所持して入れば、ある程度動ける。流石に渦に逆らえる奴はいないが、近くにいる敵に武器を向けるくらいは出来るみたいだ。それを見てると、どうやらテア・レス・テレスはこっちにむやみに攻撃する事は無いみたいだ。


 もっぱらこっちの人たちがテア・レス・テレスへと武器を振り回してる。でも流石にこんな状況ではとどめまで行くことはない。はっきり言って体力の無駄ではないだろうか? ここはなるべく何もせずに体力の温存に使った方が……と私は思う。息できるから、別段溺れることはないしね。


 渦の特性上、だんだんと皆が中心へと集まっていく。何があるとなれば中心で……だ。流石にこの人数が中心に集まってたらぎゅうぎゅうじゃないのかな? とか思ってたらそんなことは無かった。どうやら下に排出されてる? 


 その見立ては当たってた。水から排出されると、再びそこは空だった。もう訳がわからない。


「チルチルちゃん、捕まってて!」


 私の体を包んで彼は床に立つ。どうやら下に最初のステージと同じような透明な床があったようだ。でも最初のステージとはどうやら違う。再び戦場が移り変わったらしい。

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