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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「クリスちゃん、それ以上はダメだよ」


 そう言われたのを私は思い出しますデス。私が転入してちょっと簡単に牛耳ろうとかしてた時、日鞠にそんな風に言われました。階段の上と下で、私達は見つめ合った。まああれは腹の探り合いだったと思うけど……それから色々と上手くいかなくなりましたよ。


 こっちの仕掛けてたカメラとか盗聴器とか……一斉になくなってたし、基本的にあの学校の生徒や教師を完全にこっち側に転がせるって事がまず出来ないのは、日鞠と言う存在が彼らの中でとても大きいからだ。あそこまで誰かの心に根付いた個人と言うのは……本当に見たことない。


 しかも健全な状態では……デス。それこそ、危険な思想を持った危ない奴らとかなら、人心を掌握する様な事をやって、心地よい言葉を吐いて。他社の心の隙間を埋める降りをして沢山の人たちを操ります。そんな奴らなら私だって何人も見てきた。


 そういう奴らの末路は色々と悲惨です。結局、人は人に裏切られて破滅していくんデス。それが私が知ってる結論。でも……あの学校にきて、そんな考えがちょっと危うく崩壊しかけてる。確かに、私の話術にスキンシップに、そしてこの容姿によって色々と私を慕う人たちを作っては居ます。


 でも彼らはそれでも、日鞠の事を裏切れないって言います。新しい女が出来たら普通は過去の女の事なんて振り返らないないものでしょう。ねちっこい奴ならともかく……ですよ。皆そうです。良い感情をあれだけ誰からも向けられる……そんな事があり得るだろうか? そんな疑問が勿論沸くのは当然。人はすぐに嫉妬するし、それは羨望から生まれる物です。


 日鞠は羨望されてます。なら口にしないだけで、そういう感情を持たれる筈。でも仲良くなった女子とかに聞いてもそんな話は出てこないです。どうやら最初はあったらしいですけどね。でも、今やそんな物はなくなったと皆言いました。


 いやいやいやいや――デスよ。学校なんて数百人程度の枠組みかもしれないですけど、そこでだっていくらでも問題は起きてる。人がちょっとでも集まれば、諍いが起き、問題はどこかしらでくすぶる物なのデス。それは人と言う生き物の宿命で、神がそういう風に作ったから……としか割り切れない問題だ。

 

 けど、日鞠はそんな物を持たれてない。はっきり言ってあれほど、怖いと思ったことはないデス。そしてそれはきっとテア・レス・テレスでも起こってるんでは? と思います。まあまだ、あの学校よりも進んではないとおもいますけど……テア・レス・テレスの統率はとても高い。


 来る者拒まずみたいなスタイルとか聞きますけど……それならスパイなんて入り放題ですよ。勿論上の方で大切な情報は止めてるみたいですけどね。けど今回の二百人全員が上の奴らな訳がない。こっちだっていくつもの大きなチームが組んで、それでも外から名のあるプレイヤーを入れてるんだ。


 流石に一チームで二百人を全部強い奴で……なんてのは無理な筈。こっちは単純に戦闘力が高い奴らを集めてますかね。それに比べてテア・レス・テレスは明らかに戦闘になれて無い奴らも見受けられます。それは一位の驕りなのか、それとも作戦か。どうしようもない問題だったのか……そんな事を考えてる間に、なんだかこの水の中が洗濯機の様になってしまった。


 

 自己強化を限界までかけた向こうのウンディーネが高速で水の中を動き、それで大きな水の流れを強制的に発生させてる。敵味方入り乱れて混乱させるその意図は……

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