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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「よし!!」


 そんな風に私の仲間が拳を握って言っているデス。でもそれもわかる。こちら側の合唱魔法は確かにテア・レス・テレスへと落ちたのだから。こんどの合唱魔法は水でした。どうやら、直接この合唱魔法ですべてのプレイヤーを倒すんじゃなく、水圧でこのステージの上から落とそうという魂胆らしい。


(合理的デス)


 そう思う。だってHPの差はプレイヤーによって結構あるし、耐性だって違えば、防具の差だってあると思う。私、ゲームはあんまりしないけど、このためにいろいろと知識はつけたのデス。だから沢山のプレイヤーを一度に倒すというと、それらすべてを塗りつぶす程の圧倒的な力が必要だ。


 合唱魔法はかなり強力な魔法を行使できるらしい。それはそうだろう。だって一人で行えない程の魔法を使えるのが合唱魔法だ。しょぼい魔法に合唱魔法を使うメリットなんてない。でもだからってその魔法一つで百人、二百人単位を一度で倒せるかというと、やっぱり疑問だ。


 だからこそ、ステージを利用する。この戦いに復活はないのなら、戦場に戻って来れなくするだけでいいのだ。このステージは大空の上で、そして柵なんて親切な物はない。それに床も透明だし、実はしれっと誰もに気づかれずに落ちた奴とか居るんじゃ無いだろうかって私は思ってる。


 そんなこのステージを利用すれば、HPを減らすことなく、敵を減らせる。この合唱魔法で狙ったのは落とすことだ。それしかない。ステージギミックでの排除なら、どんな装備だろうが、どれだけHPが高かろうが関係なんてないんデス。


 そしてその狙いはちゃんと当たってる。テア・レス・テレスの人たちは突如降ってきた大量の水に次々とステージ外に落とされていく。阿鼻叫喚の声が響いてる。


「今だあああああああ! 押しこめええええええええええええ!!」


 まさにここが攻め時というように、そんな声が響く。それを言ったのはこの戦場に不似合いなスーツを着たおじ様です。そして周りのスーツの集団も動き出した。男色艦隊は言わずもがな……メイドフィギアの部隊も、なんか美少女フィギアだけじゃなく、なんかモンスターっぽいのも増えてた。追い詰めてる。それは間違いない。次々と籠の守りがなくなっていく。


 この水流でびくともしない籠だが、いつまでそこにこもってるつもりなのか……それとも会長は一人でも十分とかそういうこと? 日鞠はそういう奴じゃないと思ってるけど……そこまで自信が肥大してるとしたら、残念ですよ。日鞠の事は本当の天才だと私は思ってますからね。


「会長! 今こそこれを使う時ですね!!」


 そう言ってテア・レス・テレスの一人が……イヤ違います。何人かが懐から棒状の何かを取り出します。けど……


「させると思いますか? 待ってましたよこのときを!!」


 そういうスーツのダンディー。スーツの集団は何やら異様に存在が薄い? 違和感しかないはずなのに、彼らが言葉を発するとかしないと、全然その存在を察することが出来ない。だからそれを利用して、スーツの集団はテア・レス・テレスの切り札らしきそれを一瞬で破壊する。発動する前なら破壊できるみたい。


「残念でしたね。あなたたちの切り札は不発に終わりました」

「そうはどうかな?」


 にやりと、そのテア・レス・テレスのプレイヤーが笑う。そして私たちの足下がカッと光った。どうやら、彼らのアイテムはブラフだったみたいデス。どうやら私たちは追い詰めた気になって、誘い込まれてたみたいデス。

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