1201
「何か……変な感じ?」
周囲に吹き荒れる紙吹雪は別に私達には何の影響もないようデス。見たところ、あれはスオウとそれと一緒にいた子供を戦場から離す為に展開したみたい? でも多分、それだけじゃない気がするデス。確かにこの紙吹雪はそのための物のようですけど……何か……私の勘が言ってるデス。
一応、私のいる中央部に侵入してきたテア・レス・テレスは打倒しているデス。向こうは継続的に戦力を投入とかしなかったらどうにかなった。でも中央部は中央部で、魔法とかスキルの打ち合いが続いてるデス。きっと向こうも中央の人達は暇なんでしょう。魔法の雨や、矢、そして銃弾が交差してるデス。私は一応魔法使いデス。
ちょっと憧れあったし、適正はこれじゃなかったんですけど、やっぱり憧れには勝てなかったっていうか? 私だって子供の時に見たアニメとかへの憧れとかあるのデス。
ここは本当に夢をかなえてくれる。まだ初めて一週間もたってないが、既にハマりそうデス。まあ、これだけをやれるほど、私に自由なんてないんですけどね。
「うう……」
私も一応魔法を使ってる。このレベルになると、私の初心者の攻撃魔法なんてなんの役にも立たない。だから一応障壁を張ってる。けどかすっただけで、その障壁は崩れ去るから意味なんてあるのかなっ感じデス。一応障壁を当たって止まる攻撃もある。当たった時点で爆発するタイプとかの奴は、プレイヤーにあたる前に爆発させる事が出来るから、意味はあると思うデス。でも貫通するタイプの攻撃もある。矢とか銃弾はほぼ勢いを失わせる事が出来ない。
魔力? みたいなもので作ってる壁だからか、魔法にはよく反応してくれるけど、矢とか銃弾は私の未熟な障壁では勢いを殺すことさえ難しいみたいデス。まあけど始めたばかりの私なんてそんなものです。
「チルチルちゃん!!」
私に向かってきた弾丸を身を挺して守ってるくれるデス。便利な弾除け……じゃなくて、仲間ですね。美しい友情デース。勿論、私は彼らの下心をわかってる。けどそんなのわかってないふりして彼らを利用してるデス。そこに罪悪感なんてない。
だって、向こうもあわよくば、私とやらしいことをしたいと思ってるんデス。遠慮する必要ある? ないデスね。とりあえず私はこの戦場で最後まで生きてないといけないデス。この戦いは今のLROの最高峰の戦い。つまり、VRの可能性を見るに最適な場所。
ここにいるのもお仕事ですからね~、組織人は辛いデス。
「大丈夫かい?」
「はい! ありがとうごさいます」
私はかわいらしくキャピキャピしてそういうよ。すると照れる彼等。チョロいデス。
「向こうの攻撃が激しくなってきたようだ。チルチルちゃんは後方に下がってた方がいい」
「そうなんですか? 一人じゃ……不安です……」
そう言って瞳をウルウルさせると、三人ともキュンキュンしたのか、やる気を見せてくれる。とりあえず彼らは壁だから、なるべく私のそばにいてほしい。これでもそれなりに強いらしいから、攻めたいようだけど、それはちょっと遠慮してほしいデス。それに私に良い所を見せたいみたいだし……でも私が一人じゃいやといえば、それだけで、彼ら三人は私の傍を離れられない。
いい連中を捕まえられデス。私はニコニコした顔の裏でしめしめと強かに笑う。