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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「航空部隊が全滅しました!!」


 そんな報告がいくつもある声の中から聞こえてきた。一度に十人くらい喋ってるが、私はその全てを聞き分けられる。籠の中にいても私は常に全体を把握できる。見えてる訳じゃない。実はこの籠は超特殊で、防御機構完璧でエリアまでも見通すとかいう、そんなアイテムではない。


 寧ろその逆だ。この籠は、私の行動をとても大きく制限してる。もちろんそれにも理由はある。これは作戦のかなめでもある。私がこの籠から出るか、出ないかは向こうの努力次第といったところだ。私達が負けることは……きっとない。確率的に0.0000000001パーセントくらいである。


 まあそれを知ってるのは私に近い限られた人物しかないけど。大半の皆はそれを知って戦ってる訳じゃない。だって流石に、そんな事を知ってたら油断とか出るからね。皆を信頼してない訳じゃない。皆が全力出せる様にするのも私の役目だからだ。


 勿論、全力のその先も用意はしてる。私のこの籠で今の確立を出してる訳じゃない。これがなくても、向こうの勝率は0.01パーセントくらいだ。この籠は保険みたいなもの。


「このままじゃスオウとローレちゃんが厄介だね」

「任せてください。『必中の槍』を使いましょう」

「ふむ……」


 確かにアレならスオウにもあたるだろう。けど、それは多分一回目だけだ。二度目はないと思った方がいい。必中の槍は玉の特典の一つだった。その効果は名前の通り確立百パーセントでの対象への到達。これには確率操作がかかわってる。この槍はシステムで当たる事しか出来ない様になってる。


 だからどこに投げても必ず対象にあたる。反則みたいな性能の槍だといっていい。勿論制限はあるけどね。必ず対象はその戦闘エリアにいないといけない。元のLROでは使えなくて、エリアバトルでしか使えない。だからまあ、このエリア内なら全て対象範囲だ。


 それと一度、槍で対象を傷つけないといけない。いきなり対象をロックオンして投げればいいとかいうわけじゃない。多分その対象を定めるって事に一度攻撃を当てないと槍がわからないんだと思う。なにせ絶対にあたる槍である。

 下手に目標を間違えても困るから、そういうふうになってるんだろう。


「会長、左側の進軍が止まりません! 押し込まれ続けてます!!」

「会長! 右側でも確実に我らが押されてます!!」

「会長、空からスオウと召喚獣が奇襲を繰り返してます。そのせいでこちら側に混乱が!!」


 なかなかにバタバタしだしたね。最初に大きいの決めたからまだ五分五分だけど、流石に地力がある。まあこの状況は想定内だ。なにせこのエリアは私達が選んだんだし、この展開を予想してない訳ない。もっと楽に勝つなら、今までの様にもっと広くて、色々と戦術が物を言う場所にしてる。


 でもここを選んだのだって理由はある。スオウがいるから特典を使うのは控える……とか思ってるかもだけど、ああいう大きなものだけが特典じゃない。私は籠の中て一つの瓶を取り出した。それは普段、回復薬とかが入ってる瓶に似てる。けどその中に入ってる液体は虹色に輝いてた。


(絶対にヤバイ薬だよね)


 そうとしか見えない。それに私はすらすらと紙に文字をしたためて、それを瓶に張り付ける。紙は、溶ける様に瓶と同化していった。


「これを使ってね」

「はっ! ありがたき幸せ!!」

「それと、必中の槍はまだ温存。スオウのHPを半分は減らさないと絶対じゃないし、最初の一度しかチャンスはないと思ってね。スオウとローレちゃんにはとりあえず離れて貰いましょう」


 私はそういって用意してたあみ籠を何人かに渡した。その中にはちぎった紙吹雪が入ってる。さてさて、少しずつ、わからないように向こうを追い込んでいきましょう。

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