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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「なに!?」


 僕はびっくりしてそんな声を出す。時魔法はまあいいよ。僕を捕まえる為に範囲的にそれを展開するのは別におかしな選択じゃなくて、寧ろ有効だしね。まあけど、時魔法なんて使える奴はそうそういない筈で、空に上がってる奴ら全員が使えるなんて思えないけどね。


 時魔法は簡単お札パックにもない筈でもあるし、あれだけの規模をどうやって実現したから疑問は沢山ある。会長だから……の一言で済ませてもいいが、今や僕たちは敵対してるわけで、そこで考えることを放棄してると、きっとその内足元をすくわれるだろう。


 だからどうやったかとか知らないとまずいが、それよりも驚くことが起きてるんだもん。具体的に言うと、あの空間の中の時間が戻ってる。ゆっくりとだけど進んでた時間が戻りだしたんだ。鶴を壊されて落ちて行ってたプレイヤーが撒き戻しの様に今度は上昇してる。そして驚くことに、なんと壊したはずの鶴がその形を戻して行ってる。


 いや、確かに時間が戻るってそういう事……だけどさ……僕は視線をエアリーロの上に乗ってるローレに向ける。あいつにはメノウという時の精霊がいる。実際今日までの中でメノウと何回か戦ったりもしてたし、時魔法ってものを少しは理解してる。


 その特性とかもさ……時魔法は強力だ。前のLROの時の様に、世界全体をどうにか出来る……なんて事は今や出来ないが、元がこのゲームの時魔法は限定範囲にそもそも作用するという物。限定範囲の時を操れるのが時魔法だ。でも……メノウさえ、時を撒き戻してその現象をなかった事とかできてなかったぞ。


 傷ついた体は時魔法では癒せなかった。いやこの場合はなかった事にするって言ったほうがいいのかな? そういう事は時魔法でも無理なんだ。まああれはプレイヤーとか生物に対してって事なのかもしれない。鶴は紙で出来てる。生物じゃない。


 だから元に戻す事ができる? でも、そもそもがメノウも戻すってことはあんまりやってなかった。なにせ時魔法はその範囲に捕えてしまえば、戻すなんて関係なく強いからだ。時魔法の支配者にその中で勝つことは極めて難しい。

 すべての行動が遅延してるし、止めることさえ出来れば、まさに最強。戻す必要性って実はあまりない。でも今、それが起きてる。そして時魔法の空間がなくなると、そこには変わらない様子で鶴に乗った部隊が健在してる。


「マジかよ……」


 時魔法に自分達が捕らわれるのは論外だ。あれは食らった瞬間、敗北が決定されると言っても過言じゃない位に最悪な魔法だ。けど、それを回避して攻撃しても、時魔法によって元に戻されるなんて……ちょっと反則じゃないか?


「スオウ、彼らのHPを見なさい」

「! ――なるほど、そこは変わらないって訳か」


 ローレの指摘に僕は自分が切った奴らのHPを確認した。確かに減ってる。まあ回復魔法が飛んできて回復しちゃってるけどさ……けど、やっぱり時魔法の時間操作でプレイヤーのダメージがなかった事にはなってないのは確認できた。鶴は戻るが、プレイヤーのダメージが戻らないのであれば、まだやりようはある……か? 


「どうする? 時魔法は厄介だぞ?」


 対抗してメノウを出してくれれば……とか思うが、今回この戦闘でローレが使う召喚獣は三体と決めてるからな。渋ってるあたり、メノウはここで投入したくないらしい。


「時魔法のコードは見てたんでしょ?」

「まあな」

「それはメノウほどの物だった?」

「んなわけあるか」


 メノウクラスの時魔法を操れるやつなんてきっといない。それこそローレくらいだろう。前にみたメノウのコードとは複雑さが段違いだったよ今のは。


「それなら、あんたなら出来るでしょ。祝福を使いなさい。あんまりなれない玩具を使うと危ないって教えてあげるわ」


 どうやら、ローレの奴には何か考えがあるようだ。

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