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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 僕とエアリーロはそれぞれ別方向に分かれる。これだけで、今までどっちかに当たればいいやとか適当撃ってた奴らは戸惑うだろう。まあそんな適当な奴がいたかは定かじゃないけど。けど事実、一瞬の戸惑いは見えた。けど率いてる奴が優秀なのか、直ぐに半々を割り振って攻撃を繰り出してくる。


 けどさっきまで全員でやってて僕とエアリーロには当たってないんだ。避けづらいといわれる雷の魔法で――だ。という事は、二手に分かれて薄くなった弾幕に僕とエアリーロが当たる道理はない。僕とエアリーロは左右対称に同じような軌道を取ってる。


 広がって上昇してる感じだ。そしてある程度の高度になると横に行ってエアリーロと交差する。その時、僕はエアリーロに乗るローレにある事を伝えた。ほんの一瞬だが、出来ない事はない。そして今度は折り鶴に乗ってる奴らに向かって急降下だ! 僕とエアリーロは奴らの攻撃をかいくぐりながら一気に近づく。


 上から下へと、更にスピードに乗る事が出来る。僕とエアリーロの風が黄緑色の軌跡を空に描く。


「かかったな!!」


 そんな事をいうテア・レス・テレスの奴。けどそれは間違いだ。かかった訳じゃない。知ってたし。当たらない攻撃を無駄に撃ち続ける傍ら、本命の攻撃をテア・レス・テレス側は準備してた。そもそも最初から打ち続けてる雷の魔法は僕も使う札に封じられた奴だ。

 まあ僕が使ってるのよりも質が良さそうで、威力とか高そうだし、一段階強い魔法がバスバスと撃たれてたけどね。もしかしたら会長の奴がせっせと作ったのかもしれない。


 それをさも自分たちの魔法の様に撃ってたわけだ。けど、コードが見える僕にはそれを看破するのはむずかしくない。だから本命があるのは分かった。奴らはこの瞬間を狙ってたのだ。じゃあ何でわざわざそれを知りながら飛び込んだのかというと、問題無いからに他ならない。

 避けづらい超高速の一撃が当たらないのであれば、次に頼るのは避けようがない攻撃である。それは範囲攻撃だ。普通そんなの、味方が密集してる場所では使わないが、LROではフレンドリーファイアはない。まあ余波による被害は受けるけどね。


 だから敵を誘い込んでの範囲攻撃で逆に倒すのは誰もが考える手だ。それにシンクロ魔法なら、威力を飛躍的に高められるしね。けど彼らには誤算があった。僕もエアリーロも今まで、本気で移動してないって事だ。まあ勿論、これまでの戦闘データとかもテア・レス・テレスは勿論収集してるだろうし、それによって僕の最高速度とか出してると思う。


 そしてそれも想定に入れてるとは思う。でも、今日の僕は風が違う。この世界で一番の風を生み出すエアリーロによって編まれた風帝武装を今の僕は纏ってる。そして彼らにもエアリーロのデータは十分にはないだろう。不確かなものは既にあった。


 確かにそれは起きた。球体上の何かが空の部隊を丸ごと包む様に現れる。でもそれが表れたときには僕もエアリーロもテア・レス・テレスの部隊を突っ切ってた。そして僕たちが突っ切った後には攻撃を受けた奴らがいる。まあ勿論そいつらの鶴は切り刻んでる。


 当たり前だろう。狙うは奴らが乗ってる鶴である。けど……奴らは落ちていかない。いや、正確にはゆっくりと落ちてる。でもその速度はまるで時間が遅くなってるかのようだ……


「まさか、直接攻撃じゃなくて、狙ってたのは時魔法での行動阻害がよ」


 相変わらずいやらしい事を狙う奴らだ。けど効果的。やっぱりテア・レス・テレスは油断できないな。

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