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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「おいローレ、下も何か起きてるぞ!!」

「そうね」


 ローレはそれだけ言うだけで、別に下に目を向ける訳でもない。仲間の事、気にならないのか? いや、こいつはそういう奴だけどさ。そんな事を思ってると、後方から魔法が飛んでくる。雷の魔法で直線状を一瞬で走る攻撃だ。光と雷の魔法は単体攻撃の中では一番避けにくいな。

 どっちも普通は認識するよりも早く炸裂する特性上気づいたら当たってる――って感じになる。まあけど、僕やエアリーロ以外にはだけど。そもそもまっすぐに走る特性上、動いてたら避けるのはそう難しくはないんだよね。炎のそれこそファイヤボールとかだと、ある程度制御とかも出来るみたいだが、速すぎる魔法にはその余地はない。

 だから彼らは、連携性と素早さでそれを埋めようとしてる。自力で飛べる奴らは知らないが、そうかピクみたいな存在がいるとすれば、例外か。それかセラの奴の聖典とかさ。まあ今、僕やエアリーロを追いかけてる三十人くらいの奴らはそのどれとも違うのに乗ってるけどね。


 いうなれば、それは大きな折り紙だ。そしてその折り方は鶴だった。要するに、大きな鶴の折り紙に乗った奴らが僕たちには襲い掛かってるって事。その光景はなかなかに間抜けなわけだが、コスト的にこれってかなり脅威じゃないか? 

 だって紙だよ? 実際LROの世界は現代程の文明がある訳じゃない。だから紙ってそこそこ高価だったりするけど、そこはゲームだ。色々とオーバーテクノロジーは随所にある。だから紙も高価だが、手が出ない程でないし、普及は普通にしてる。


 そんな紙があんな兵器になるなら、これほど便利なことないじゃん。目を凝らすと紙にはコードが並べられてるのが見える。まあこの世界は全てコードで成り立ってる。目を凝らすとコードが見えるのはおかしなことじゃない。コードが見えちゃう事自体がおかしいとかいうのは無しだ。

 だって見える様になったんだから仕方ない。そもそも見えないと、コードをいじるなんて出来ないから、これは祝福持ちにはデフォルトで備えつく機能なんだろうしね。


 そしてコードが見えれば、それがどういうもの中見えてくる。勿論ある程度理解してれば……だけど。一応、僕もある程度は理解出来てる……とは思う。よくわからない部分はまだまだたくさんあるけどね。


「どうやらあの折り紙、会長の手製みたいだな」

「本当に祝福持ちは厄介ね。これじゃあもう、新しいスキルを作ってるようなものじゃない」


 ローレの奴がエアリーロの上でそんな文句を垂れる。まあわかるけどね。僕も祝福持ちだし、同じような事が出来るはずではある。でも僕は会長程にこの祝福という力を使いこなしてない。だからああやって一から何かを作り出すってのは難しい。


 やっぱりあのペンは祝福と相性良過ぎるって思う。会長というチートに祝福というチートが掛け合わさって、更に最良の相性のアイテム持ち……会長はもっと色々と祝福で何かをしてるだろう。今の所地上では普通に戦えてるから、前々回の戦いで猛威を振るった反撃効果は鳴りを潜めてるようだ。


 アレを使えばかなり圧倒できると思うが……何らかの理由で使わないのか、それとも機を伺ってるのか……とりあえず攻撃が通るのなら、こっちも反撃にでよう。下の様子見て逃げに徹してたが、大丈夫そうだからね。ローレの事、冷たい奴だとか非難なんてしないさ。

 ここは戦場だし、皆戦う為に来てる。それに僕達の助力を必要とするほどに弱い程でもない。だからこいつは目の前の敵に集中しろって言いたいんだろう。折り紙で飛んできたのは驚いたが、コードを見る限りあれ自体が攻撃手段を持ってる訳じゃない。


 それにそこまで速い訳じゃない。僕とエアリーロならあの程度、訳ないだろう。制空権を譲る訳にはいかないんだ!

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