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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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(反撃効果……ですか? でもこれは……)


 私は冷静にそんな事を考える。けど行動はちゃんとしてるデスよ。涙を浮かべて彼に近づいて伸ばされたその手を取ります。仲間を思うカワイイ女の子でしょ? 私は初心者って設定だし、いきなり回復魔法とか唱えるとおかしいから、ここは周囲に任せしましょう。


 実際、初心者なのは本当ですしね。ただ、こういう殺し合いの場に慣れてるだけで、LROは初心者デス。


「大丈夫ですか!?」


 そう言って近くの人が回復魔法を唱えてくれる。流石最終戦に選ばれた人たちは行動が早いですね。実際私みたいな初心者って私だけなのでは? 当たり前でしょうけど。


「追撃に注意しろ!! ちっ、勝手な事をしやがって」


 そんな声が聞こえます。多分、大手のチームでちょっとは偉い人なんでしょう。左右の最前線はこっちが押してます。だからこそ、側面からの攻撃とかを警戒してるんだとおもいますデス。前がイケイケでも別の所から崩されるって事はありえるもんね。正しいことデス。


「おい、そいつは大丈夫か? おい!」


 口調は荒っぽいが、なんか結構良い人そうデス。別に同じチームでもないのにこんなに心配してくれて……今までの戦いを見る限り、大手は大手で固まって戦ってる感じでしたけど、そういうのやめたのかな? 確かにあれは混合チームの強みがなかったデスからね。


「なんだか……おかしいんです。魔法が……」


 回復をしてくれてる女の子がそんな事を言うデス。何かと思って私も覗き込みます。すると確かに魔法は発動してる様に見える。魔法の光が彼を覆ってる。けどそれは一瞬デス。本当なら、じっくりとしみる様に光は消えていきます。

 なのに直ぐに癒しの光は消えてしまうデス。


「魔法が効かない? ならアイテムを使え!」


 なるほど……と思ってるとその荒っぽい人が自分のインベントリから回復薬を出してくれる。とんだけ良い人なんですかこの人は。けどそれを振りかけようとしたとき、その手を止められた。誰にって? それは矢が刺さった彼に――デス!!


 しかも完全に状態がおかしい。彼の名前の横に『呪』の文字が見えます。


「離れて!!」


 私は荒っぽいその人に体当たりして二人を引きはがすデス。けど、ここには二百人が詰まってて……まあそれなりに余裕がある程に広くはありますけど、それでもちょっと歩けばすぐに別のプレイヤーがいます。だからよろけた彼は矢が刺さったまま近くの人にぶつかり、そのままその人にかぶりつきましたデス。


 わお、スプラッタ――とか言ってる場合じゃない。かまれた人にも呪の文字がステータスに浮かんでます。


「や、やめて! それ以上悲しい事しないで!!」


 私は呪い事を言いたかったけど、このキャラ的にこれが正解かなって思って言えなかった。けど荒っぽい人が気づいてたからそれを周囲に伝えてくれる。


「そいつは呪われてる! 離れろ! それと解呪できる奴はやってみてくれ! 無暗に近寄るなよ!」


 そしておびえてる(風に装ってる)私の頭に手を置いてこういってくれた。


「助かった。任せとけ、これ以上お前の仲間に悲しい事はさせない」


 トゥンク――とか本当ならなる場面なんだけど、ごめんね。私ぶりっ子なんデス。

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