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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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放課後


 僕は最近なんか忙しいそうにしてるセツリを鈴鹿に任せてクリスの奴と街を歩いてる。秋徒の奴もさっさと帰っていった。あいつは最近、放課後は愛さんと勉強してるからね。しょうがない。邪魔するのもなんだし。


「こっちデススオウ」

「お前、あんまり怖い所に連れてくなよ」

「怖いところって何デスか? これから行くところは女子高生のお部屋デスよ」


 ニヤーとやらしい笑みを浮かべるクリス。こいつ、わざと女子高生の部屋とか言ってるだろ。それってつまりは、こいつらの本拠地とかだろ? 絶対にろくな場所じゃなくない? 女子高生の部屋ってのは確かに甘美な響きだが、すでに帰りたい。


 けど既に学校から出るときに一悶着あったからな……あれを乗り越えて来たのにここでかえって同じことをやるのはいやだ。僕は嫌なことはいっぺんに済ませたい質だし……今日何とかこいつを振り切ったとしても、絶対にこいつあきらめそうもないんだよね。そこら辺、クリスはしつこい。

 なんせこいつ、女子高生の皮をかぶった仕事人だしな。セツリの奴も今日はなんとかなだめることが出来たが、今度はもっとややこしくなりそうだ。


 それなら今日をつぶした方が……仕方ないか。取り合えずコンビニで護身用にカッターとか買っといてポケットに忍ばせておいた方がいいかもしれない。まあ十中八九、クリスの仲間たちとか銃を持ってるだろうけどね。カッターなんて役に立たないか。


 こっちも最近はラオウさんに武術みたいな事を習ってるが、向こうはプロフェッショナルだ。付け焼刃が通用するような相手ではないだろう。何回か接触してるが、実際敵うビジョンが見えないしな。


「ちょっとコンビニ寄っていいか?」


 まあそれでも備えはしとこうと思うんだけどね。


「コンビニですか? ああ、コンドームならありますよ」

「馬鹿かお前!?」


 そもそもなんで女子の部屋に――ってこいつの仲間には男もいるか……まさか仲間とそんな関係に……うう、なんか変な映像が浮かんだぞ。そもそもなんでまっさきに浮かぶのコンドームなわけ? こんな奴でも学校では大人気なんだよ。


「だって普通の高校生なら、やる事は一つデスよ?」


 そう言ってクリスは両手の指をナニに見立てて入れたり出したりしてる。おい……だよ。こいつは街中で何やってんだ。


「ささ、出来ると大変デスからね。買いましょう」

「いや、そんなの買わないからな。てかやらないし!」

「まあまあ、その内必要になる筈デスし。今買うのも後で買うのも変わらないですよ。むしろ今買っとけば、今日使うかもしれないデスしね」


 こいつ、僕に何が何でもコンドームを買わせたいらしい。そもそもあるって言ってたのに買わせたいって……


(まさかこいつ……僕の所持金をわかってて、それを買うとカッターとか買えなくなるって計算してる?)


 深読みかもしれない。けど某国のスパイを甘く見てはいけない。とかなんとか考えてる間に、クリスの奴がそれを持ってレジにいた。


「早くデススオウ。出来たら大変ですよ」

「おまっ!? いや、マジで、お前な!?」


 レジの人がなんか羨ましそうにこっち見てるけど違いますからね! でも今更違うんですとか言えないから、結局買う羽目になった。そのせいでカッターは買えなかった。

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