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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 あれから色々と秋徒の奴と話したが、まあ結局は別段力になれそうなことはなかった。アルテミナスの近くに現れた洗脳を使うモンスターはちょっと気になったが、既にアギト達が倒してる。そして戦闘に参加した騎士たちもちゃんと無事に回収できたみたいだ。


 なら何を気にする必要があるのか――だが、どうやらクエスト的に、『達成』した事になってないらしい。クエストは達成と失敗がある。LROは目に見える形でクエストを受けましたよ……なんてのは冒険者としてちゃんと窓口で受けるタイプの奴でしかならない。


 けどLROには無数に……それこそ本当に数えきれない位にクエストはあって、それが起きる条件を人によってまちまちだ。いつの間にかクエストが発生してるってのはよくある。インベントリで見るまで気づかないなんてのはあるあるなんだ。達成しても何か起きるわけでもないしね。一応自分にだけ聞こえるシステム音はなる。


 LROはリアルに近づけてるけど、面倒なことはちゃんとシステムが補助はするようになってるから、インベントリでクエストを確認したりアクティブにすれば、目指すべき場所とかを大まかに表示する機能なんかは実はある。終わったクエストは色が薄くなってリストに表示されて、プレイヤーが自主的に操作を行わない限り消えることはない。


 こういうのは自分がどんなクエストをやってきたのか、あのスキルが手に入ったクエストは何だったのか、確認するのに役立つ。まあ問題は、やっぱりプレイヤーによって同じ名前のクエストでも違ったことが起きたりすることだ。


 LROは本当に自分だけの物語、自分だけの冒険を紡げるゲームだ。それが良いんだけど、僕的には既にただのゲームじゃない。


 秋徒の奴はまだ、ゲームなのかな? 大半の人達にとってはLROはゲームだろうけど、僕やセツリにとっては既に違う何かになってる。まあだから変化はきになる。


 秋徒の奴が心配してるのは一応終わったと思うクエストやらイベントがまだ続いてるらしいこと。でもそれもないわけじゃない。長くかかるイベントやクエストはある。その類のモノじゃないかと思うんだが、秋徒の奴は何かが手に入らないかって焦ってるようだ。


 別段クエストの報酬としてスキルがもらえる訳じゃないって秋徒の奴だってわかってるだろうに。スキルとかを得る場合は、システムから報酬としてもたらされるわけじゃなく、そのクエストの最中に手に入るものが多くて、それが結果的にこのクエストでこのスキルがゲットできた――ってなってる。


 だから今回聞いた限りではその洗脳のモンスターから何かを得てるだろうし、それがきっと報酬的な奴なんじゃないだろうか? それも秋徒がいうにはそれほどレアなわけでもないらしいけど。


「まあクエストが続くんなら、まだ希望はあるって事だろ? あきらめるには早いだろ」


 とかなんとか適当なことを言ってごまかしておいた。それからも休み時間のたびに愚痴る秋徒がうざかった。今は昼休みで僕たちはいつものメンバーでいつもの空き教室で弁当を食べてる。クリスがいるから何かとにぎやかにやってるいつもの風景。


 そこで、クリスの奴がただの好奇心なのか、それとも何か意味があるのか、僕に対してこういってきた。


「そういえばスオウは特訓してるって聞いたデス! どうなんですか調子は? 日鞠に勝てるデスか?」


 デリケート部分を構いもせずに突いてくる奴である。まあクリスらしいけどね。

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