表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1171/2705

1171

「ちょっと待ちな」


 そう言ってオズワルドの肩に手をのせてるおばちゃん。けどきっと乗せてるだけじゃない。なにやら鎧からギシギシという音が聞こえるし、かなり力を込めてる。おばちゃん……切れてる? まあそれでもあんな丈夫そうな鎧を素手で悲鳴を上げさせるって異常……やっぱりあのおばちゃん只者じゃない。


「なんだ?」


 けどオズワルドは別段気にした風もない。スーツの奴の方が切れそうだったが、おばちゃんの人にらみにしり込みしたようだ。弱い……確かこのスーツの奴がこの騎士寮では一番偉いはずでは? まあ確かにあのおばちゃんはアイツよりも強そうだが。


「なんだ? じゃないよ。仲間が困ってるのにあんたは助けもださないのかって言ってんだよ」

「そんな事か。エズ、私はそんな些事にかかわってるほど暇ではないんだ」

「些事……だって?」


 ヤバイ……何がヤバイっておばちゃんの体からほとばしる赤いオーラがヤバイ。完全にブチ切れてる。おばちゃんはここの寮の騎士達を自分の子供の様に思ってる。まあ学生寮ではないんだし、それはどうか? と思うが、実際そうらしい。だから仲間であり、家族であるはずの騎士達を見捨てるような言い方に切れた。


「あんたいつからそんな奴になったんだい!!」


 どごん! という音が響く。すると彼女の拳が壁にめり込んでいた。


「エズ、聞け」

「何が聞けよ! 仲間を見捨てる様な奴の言葉に貸す耳はないよ!!」


 そう言って壁から抜いた拳を今度こそオズワルドへと向けるおばちゃん。俺とアイリはとっさに動いた。


「ちょ!? あんた達!!」

「落ち着いてください!」

「そうです、オズワ――大団長様は何か言いたいようですし」


 危うくオズワルドと言いかけるアイリ。その言葉に一瞬オズワルドが反応した? けど鎧は彼の表情を分厚く隠してる。わからない。俺達はここにいる誰よりも……いやもしかしたらおばちゃんよりは下かもしれないが、取り合えずオズワルドがどう言うやつか知ってる。


 多分、これまでの経験上、性格とかまでは変わってないはずだ。オズワルドはこのアルテミナスでは前から重要人物だし、そういうNPCはこの生まれ変わったLROでも大幅な変更はされてない。状況とか歴史とかがところどころ変わったりしてるが、性格はそうじゃない筈。

 なら、こいつはただ言葉が足りないだけだ。だって前からそうだったし。一瞬、俺達もこいつもそっち側……とか思ったが、違う。こいつは誰よりも騎士に誇りを持ってる奴で、騎士道精神を体現してる存在の筈だ。なら、仲間を無暗に見捨てるなんてしない。

 絶対だ。


「大団長様、何かしっかりとした対策があるんですよね? 仲間を見捨てる様なことはしないですよね?」


 俺は確認するために矢継ぎ早にそういう。無礼にもほどがあるだろう。けど、この鬼を止めるにはオズワルドの口からそれを言わせるしかない。この堅物にちゃんとだ! まったく面倒くさい奴だよまったく!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ