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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 アルテミナスへと戻ってきた俺達は急いで門の所に居る見張りの騎士へとすがった。彼らは俺達の事もわかってたらしく、直ぐに部隊を編制しなければ……と事情は直ぐに伝わった。手の空いてる騎士たちを集めて……ってそもそもが俺達のさっきの部隊がそんな手が空いてる奴らを集めてた部隊だったようだ。


 なので色々と話を通さないといけない。仕事を抜け出すとかなると、それを補う人だって必要だし、いろんな所の許可とかがいるだろう。そうなると当然時間もかかる訳で……


「やっぱりそれぞれの部署に話を通すのは効率が悪いですね。ここはもっと上に直接訴えた方がいいんじゃないでしょうか?」


 今まで回った所は結局、上の許可が必要とかだった。お役所仕事というか……けどリアル程厳密でもないのは、鶴の一声が絶大という事だ。騎士団は第一から第四くらいまである筈で、その大隊長とかの言葉はもう絶対みたいなものだ。


 けど俺達の様な下っ端がそんな簡単に騎士団のトップに会える訳もない。でも取り合えず上の人が良そうな所にいくしかない。


 本当は城の中へと突撃したいほどだが、流石にそれをやるとこっちがヤバイ。だから城の外の方にある騎士隊舎の方へといった。そこなら騎士が入るのに問題はない。俺とアイリは問題があるかもだが、騎士隊舎の方はそこまで厳しくもない。


 流石に城ほどに厳重なんてないし、今は身分を証明してくれる騎士仲間もいる。中へと入るのになんの問題もなかった


「あら、お仕事はもう終わったのかい?」


 そう声を掛けてきたのはこの隊舎の何人かいる管理人のおばちゃんだ。おばちゃんといっても想像する様なちょっとぽっちゃりな皆のお母さん的な人じゃない。まあそういう人もいるが、今俺達に声を掛けてきたのは、顔には皺が刻まれてるが、その体はムキムキな中年女性である。この人は姉さんと騎士たちから呼ばれるこの隊舎一の権力者である。


 でもこの人の権力は求めてるのとちょっと違う。別に高い役職にいるとかじゃないからな。ただのこの隊舎の管理をしてくれてる一人にすぎない。そしてこの隊舎の中では絶大な権力を持ってるというだけだ。まあ彼女達の様な管理人のおばちゃん達には騎士は頭が上がらないのは事実。


 それは偉くなってからも変わらないらしい。なにせ、新人の時点では皆ここで世話になるのだ。だからこそ、新人の時にお世話になった騎士たちはここのおばちゃんたちに頭が上がらないのだ。だからとても偉くなった奴らはここにあんまり来たくない……と聞いた事もある。


 でも丁度ここでこの人に会えたのは僥倖だったかもしれない。だって今から行くのはここにいる騎士の中では一番立場が上の人の所だ。勿論、この人に頭はあがらない。


「すみません、今から班長の所に行くんでついてきてもらえませんか?」

「何か、あったようだね」

「はい……」


 察しがいいおばちゃんは流石に騎士隊舎の管理人である。それにムキムキだしね。絶対になにか昔は騎士の中でも結構な地位にいそうである。


 一緒に来たバルクさんがおばちゃんに経緯を説明する。するとおばちゃんは気持ちよくこういってくれた。


「よし、それならあたしも行くよ! 丁度いい奴が来てるからね。任せなさい!」


 何とも頼れる返事をくれるおばちゃん。気になる事も言ってるが、この人がいれば、大体騎士は動いてくれる。これで待ってる皆に救援を出せるだろう。

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