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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 正体を現したモンスターの名前は『ベネジュラージャ』なんかとても大層な名前がついてる。けど強さ的にはそれほどでもないらしいなぜなら、名前の横に見える色、それが黄色だからだ。ヤバイ奴は赤く表示される。黄色なら頑張れば行ける強さだ。


 この見た目は張りぼてか? 洗脳を主にしてるって事は、そっちに力を取られててこいつ自体が強くないってのはバランス的な物なのかもしれない。そもそも洗脳して他者を戦わせるのは、自分が戦いたくないとか、そこまで戦闘に特化してないからこそだろうからな。

 

 デカさにビビったが、冷静になればこれはこのモンスターを追い詰めたといっていい筈だ。なにせ今までは枯れ木に扮してなるべく姿を見せない様にとしてた筈。それが出てきた。出て来させたって事なら、上場。


「ぼああああああああああああああああああああ!!」


 風圧までも起こすそんな声が響く。そして声が収まると同時に、洗脳状態の騎士のあいてをしてた正常な騎士たちから押され気味な声が響いてきた。


「くっ! 何だいきなり!」

「動きが……力も強くなったぞ!!」


 確かに見てると動きが違う。その内の一人がたたたっと走ってくる。今までは洗脳状態宜しく、どこか振らついてた。けど、今やそれが見えない。その足取りはしっかりとして、地を踏みしめて蹴ってる。だからこそ、動きが全く違う。どういう事だ? 


 泥がついた武器が迫る。俺はそれを炎が滾る剣でうけた。


「ぐっ!? こんのおおおおお!」


 吹っ飛ばされそうになったから急に力をいれて踏ん張る。おかしい力の出方してるぞ。よく見ると彼のHPが減少してる。それはつまり、ダメージを負ってるって事だ。リアルなら、腕とかから血とか出てるじゃないか? つまりは限界以上の力を無理矢理だしてるんじゃないだろうか? 


 普通、人は筋力の全てを出し切ってる訳じゃないからな。洗脳してる奴が無理矢理その安全弁を取り払ってるのだとしたら、打ち合う度にどんどん彼らはボロボロになっていく。


「この――――つっ!!」


 何とか踏ん張ってた所に、太い枝が俺達を薙いできた。洗脳してる騎士事、俺を吹っ飛ばす。


「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 吹き飛ばされた俺は地面を転がる。どうやらあの木。洗脳されてる奴らを使って足を止めさせ、そこに自分の圧倒的質量をぶつけて薙ぎ払う戦略を取ってるみたいだ。次々と騎士たちが飛ぶ。流石に皆一撃で動けなくなる程に柔ではない。

 リアルならあんなの一発KOだろうが、LROでは皆とてもタフだ。けどだからと言って何回も食らって大丈夫かというとそうでもない。今のでもHPの三割くらいは持ってかれた。どうやら俺よりも先り洗脳されてる騎士に当たるから、多少は緩和されてるみたいだ。


 洗脳されてる奴なんてあの木にとってはただの駒なんだろう。死ぬまで……いや、やっぱり今の状態を見るに死んでからも酷使されそうだ。一緒に吹っ飛ばされた騎士は明らかに腕が変な方向に曲がってる。それに俺よりもダメージもデカい。それなのに、起き上がって向かってくる。


「くそ!」


 こっちはまだ耐えられるが、この人は既にヤバイ。他の洗脳されてる騎士たちも同じような物だろう。やっぱり味方が洗脳されてるってのはやりにくい。動きが良くなったせいで押さえつける事も難しくなったし……一体どうすれば……デカい木の攻撃範囲はかなりひろい。それにそもそも、こいつから離れるのはきっとあの木の思うつぼだ。でも……打開策がない。


 再び剣と剣とをぶつけ合う。膠着状態になるとそこに向かって木が太い枝を動かしだす。

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