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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「俺は……俺は負けねえええぞ!」


 そんな事を言って復活したのはグリゴーさんだ。グリゴーさんが復活した時に泥の奴は離れていってた。ここでまた体の一部を燃やされるのを嫌ったんだろう。


「大丈夫ですかグリゴーさん!」

「このくらいでへばってたらカーシャにふさわしくなんかないだろう!!」


 カーシャってのがきっとグリゴーさんの思い人なんだろう。その想いがあればまだ動けるだろう。その後はどうなるか分からないが、ここを乗り越えればきっと……


「くっ……何やってる! 更に洗脳が解けてるぞ!」


 泥のモンスターがそんな事をどこかへと叫んでる。まあ組んでる木のモンスターへと叫んでるんだろう。あいつはかなり焦ってるようだが……その姿を巧妙に周囲に溶けさせてるもう一体はどう出る? 


「アギト、あの一帯の木を焼いて!」

「よし!!」


 確かに範囲攻撃なら、アイリよりも俺の方が得意だ。既に洗脳が解けたグリゴーさんはもう大丈夫だろう。それよりもこれ以上洗脳される人を減らすためにも、そろそろ本体を狙いたい。けど動きだした俺に向かって、洗脳されてる騎士たちが何人か向かってくる。でも俺の場合はそこまで近づく必要もない。それにさっきのグリゴーさんの時の経験でスキルを操るっていう感覚が何となくだがわかった。


 後はもう応用だろう。威力の上下だけじゃない。射程とかだって、スキルの範囲だって調整できるはずじゃないだろうか? スキルの幅は俺が今まで思ってたよりも実はずっと広いのかもしれない。


 俺は剣に炎を滾らせる。それを剣を振るう事で放つスキルを使った。勿論邪魔な騎士に当たらない様に、ジャンプして軌道を確保した。アイリが示した場所には枯れ木が六本くらいある。それに当たる様に炎を飛ばす。今までは取り合えず飛ばしてたそれを操る様に意識している。すると不思議な事に、今まではただ真っ直ぐに進んでた炎がそれぞれの木を目指すようにとんでいぐ。


 まさに意思を汲んで、システムが補助してくれてるかのようだ。炎は確実に枯れ木に向かってる。アイリの言葉ではあの枯れ木は避けるらしい。炎が近づくにつれ、何やら枯れ木が震えだす。しかも一本じゃない。全部震えてるぞ。


 けど木だから根が這ってて、体をくねらせることは出来ても、その場から逃げる事は出来ない筈。そしてそのまま、炎が枯れ木を包み込む。


「よし!」


 枯れ木だからよく燃える筈だ。けど炎が当たると同時に、地面がゆれだした。もこもこと地面から根が出て来たりしてる。当たりの枯れ木が地面に消えて、それらが燃えてる所へと集まってくる。


 ああやって移動してるのか……とか思ってたが、それどころじゃない。集まって枯れ木がねじれてどんどんと組みあがっていく。炎を飲み込むようにしてそこに枯れた大樹が現れる。


 そしてその大樹には目と口がある様に見えて、無数の枝をゆらしてた。


「正体現しやがったな……」


 スケールに圧倒されるが、こいつが洗脳の大元だ。つまり、ボス級の敵。こいつを倒せばクエストクリアだ!

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