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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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「グリゴーお前が戻らないと、彼女はあのいけ好かない奴に取られる事になるんだぞ! パン屋の跡取りに負けるぞ!!」


 一体どういう状況なのだろうか? いや発言から考えてこのグリゴーさんとパン屋の跡取りが同じ女性をとりあってるんだろう。だからこのままこのグリゴーさんが死ぬと、その女性はもれなくパン屋の跡取りの方へと……それが嫌なら魂を奮い立たせて洗脳を解かないと、最悪の結末が近づいてくる。


 大元を立てればいいが、その余裕が……一人でもかえって来てくれるのなら、それに越したことはない。


「ぐがが……ぐがあああああああああああああああああああああああああ!!」


 グリゴーさんと思わしき兵士がそんな叫びをあげる。きっと彼も俺と同じように中で戦ってるんだろう。


「そうだ!」


 俺は自分の首筋に針の様な物が刺さってた事を思い出す。あれはきっと洗脳の為に刺されたものだ。あれを抜けば少しは助けになるかもしれない。


「アイリ、援護を頼む!!」

「はい!!」


 俺はそういって当たりの騎士どもを弾き飛ばす。そして苦しんでるグリゴーさんの元へと向かう。追いかけてこようとする奴らはアイリがどうにかしてくれるだろう。近づいてきた俺に反応するグリゴーさん。だけど、その動きは遅い。きっと彼が抵抗してるからだろう。


 俺は素早く背後に回り込む。そして見えた。首筋にある針……というか、ほそい枝というか爪楊枝みたいな物。それに手を伸ばす。けど俺が触れる前にそれは変形した。花が開くように枝分かれして、首に巻き付きやがった。なんていう意地悪さ。まさに洗脳とかしそうな奴の性格が現れてる。


「首筋に針みたいなのがある! それを出来るなら取ってくれ!!」


 同士討ちしてる仲間に針の事を伝える。どれだけ重要か分からなかったが、ここまで嫌がるって事はかなり重要アイテムらしいからな。これがなくなると洗脳の力はかなり弱まるのかも。あれはアンテナ? アレが洗脳の力を受信してるのかも。けどグリゴーさんの針は首輪の様になってしまった。


(なんか、下手に引きちぎろうとすると、逆に食い込みそうだな……)


 それでグリゴーさんを絞め殺しそうなそれくらい狙ってるだろう。切れるか? けど、俺にはそんな腕はないし、そんな繊細なスキルも持ち合わせてない。あの傭兵の侍なら……と思うが、俺には無理だ。


「ああああああ!!」


 そんな声を出してグリゴーさんが剣を振りかぶる。俺はそれを交わすが、後に続かない。避けるだけじゃダメだ。けど……剣と剣とがぶつかり合う。


「こうなったら!!」


 俺はスキルを使って炎をだす。そしてそれをグリゴーさんに叩きつけた。


「アギト!?」


 大丈夫だアイリ。きっとできる。LROが思いを組んで、スキルも何もかもが応えてくれるのなら! 

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