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「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
泥の弾丸を燃やし尽くしながら俺は地面に剣を叩きつける。その瞬間炎が沼の地面に広がっていく。その規模は今まで出した出した炎の何よりも大きなものだ。沼全体までも俺の炎は広がってる。そして役目を果たしたのか、盾はボロボロと崩れる様に消えていく。
まさかこういう風になるとは思ってなかった。力を還元する系のアイテムってその容量を使い切ると、崩壊するのか。そんな情報なかった筈だが……たぶんこれまではそんな事が起きえなかったんだろう。沼全体に炎が広がったおかげで、他の騎士達への弾丸の攻撃も起きてない。
皆が地上に降りて来る。炎の中だが、多分同じパーティーになってるし大丈夫だろう。パーティーよりも人数多いが、そこら辺もちゃんとなってる筈だ。悲鳴とかは聞こえないしな。とか思ってると――
『ぐぎゃああああああああああああああああああああああ!!』
――そんな空気を震わす様な断末魔が響く。俺達は思わず耳を押さえた。それだけ大きな声だった。どう考えても人の叫びじゃない。次第に沼が蠢いていく。堅い地面が現れになって、その地面が後からそこに広がってたとわかる。
沼だったドロドロは随分小さくなってあつまっていく。炎を消す為にその体で包むようにする度に泥は乾いて崩れていったからとても少なくなった沼と呼べた泥。もうあれは沼ではなく蠢く泥だ。そんな泥は半球状に集まって蠢いてる。
そして驚く事にその体に穴をあけて喋りだした。
「よくもよくもよくも! 雑魚の癖によくもおおおおおお!!」
そういって小さくなった泥はその穴から泥の弾丸を放ってくる。けど面で制圧してたさっきとは違う。たった一つの弾丸なんて避けるのは簡単だ。しかもこっちは十数人いるんだぞ。
そんな一撃に意味なんてない。既に騎士たちは動き出してる。
「ここまで小さくなったのなら怖くなんかねえ!!」
そんな事を言って何人かの騎士たちが泥に迫る。けどその時、今までずっと距離を取ってたアイリが割り込んだ。具体的には自身のスキルを向かう騎士と泥の間に打ちはなったんだ。
「何をする!!」
「気をつけてください! あれは洗脳持ちですよ。不用意に近づくのは危険です」
確かにそれはそうだ。あのモンスターには確かにそれがある筈だ。不用意に近づくのあぶない。けど、待てよ。あれは泥だ。でも洗脳されてた狼の口には木の根の様な物があったような? けどあの泥には木の要素なんてないぞ?
いや、あの狼に木の要素があったのかも……
(けど、そんなの聞いたことないな)
あの狼は俺も沢山倒してる。そのスキルとかもアルテミナスにいるプレイヤーは知ってるが、木的な要素はない。目の前の泥は、まさに泥だ。そんな事を思ってると後ろから嫌な予感がした。そして何やら首筋にチクッとした感触が。
そして次の瞬間、視界が歪み、膝をつく。
「アギト!」
アイリのそんな声をどこか遠くに聞こえて、他の声が聞こえてくる。
『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!』
その声が延々と頭に響く。