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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 エルフの指揮官の奴は必死なせいか、なかなかに強い力を発揮してて振り払う事が出来ない。気絶してるのなら、手を離せと思うが離すと死ぬと気絶しててもわかってるのか、マジではなさない。下手にこいつに意識を向けてる訳にもいかない。

 既に攻撃は来てるんだ。


「ちい!」


 俺はウインドウを開き、素早くある装備を取り出した。普段は付けてないが、荷物になる事がないからある程度の装備は持ってる。そしてこの状況で取り出したのは盾だ。土色をしたひし形を少し崩した様な色と形をしてるお世辞にも美しいとは言えない盾。


 でも武骨だが質実剛健を体現してるのだ。それにこの盾にはある特徴がある。襲い来る泥の弾丸。それを何とか盾に身を隠して防ぐ。盾越しでも伝わる衝撃が体を僅かに押し上げる。量が多すぎて落ちずに上に昇るという歪な事が起きている。


 だが、そのおかげで盾に入ってる隙間から徐々に光が漏れて、それが強くなっていく。それなりの大型盾だが、全身全てを賄ってくれてる訳じゃないから、はみ出てる所からダメージを受けてる訳だが、まだ何とかなる程度だ。


 これで盾無しで受けてたらと思うとぞっとする。一応他の騎士立も騎士だけあって盾は標準的に装備してる。背中に背負ってた奴もいただろうが、騎士ともあろう者が状況判断を怠って盾を構えるのが遅れるなんて事はないだろう。


(でも、盾が耐えられないって事は有りそうだな)


 腕に伝わる衝撃は相当な物だ。アルテミナスの騎士の盾は少しミッションを進めると、誰もが手に入れる事が出来る標準的な物だ。勿論、その性能は知ってる。初期は頼りになるが、どんどん頼りなくなってくるくらいの性能だ。


 勿論、騎士としてのランクが上がっていくにつれて、装備の性能は上がっていくんだが、実際 プレイヤーで標準の騎士装備をつけてる奴なんていないからそういう事だ。まあNPCの人達は仕事だからな。選択肢なんてないんだろう。


 いつまでこの攻撃が続くからわからないが、皆そこまで耐えられないだろう。こんな攻撃が続けばその内確実に耐えられなくなる。だが終わりはみえない。まさかあの沼がある限り続くなんて事は……それは流石に規格外すぎる。


(そろそろいいか?)


 盾の隙間から漏れる光はかつてないほどだ。この盾は攻撃を受け続ければそれだけ、そのダメージを攻撃へと還元できる盾だ。けど俺はタンクじゃないし、この盾のダメージを還元する率はそこまで高くなくて使い道がそこまでなかった。


 けどある一定のダメージ量でその倍率が跳ね上がるって情報があったんだ。でもそれってかなりのダメージをこの盾で受けないと行けなくて、俺の戦闘スタイルと合ってないんだよな。だが、今回ばかりはこの盾がはまる筈だ。


 盾から還元された力が腕を伝い、体に纏い、そして剣へと伝わる。


(体が熱い!?)


 これまでここまでの異変はなかった。還元されてる力が大きすぎて体が熱くなってるのだろうか? 更には握る剣が震えだした。


「なんか不味い!」


 けど止めれないぞこれ。だってオートなんだ。一定量ダメージが蓄積されればこっちにそのダメージを力として還元する。止める術はない。ずっと泥の弾丸は撃たれ続けてる。自分の纏ってる装備に亀裂が入り、更に剣にも同じ様に亀裂が走る。


 絶対にこれは不味い奴だ。早く力を消費しないとやばい。俺はまずは上に上昇するのをとめる為に炎を纏わせて剣を振るう。炎で俺の前の弾丸が燃え尽きていった。そしてようやく重力にそって体が落ちだす。けど弾丸は直ぐに再び襲ってくる。それを燃やし尽くしながら俺は地面を目指す!

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