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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 学校が終わり、スオウ達と早々とわかれて俺はある場所に向かってる。最近はなんだかそれぞれにやる事が出来て、学校という囲いの中以外ではあいつらともあんまり一緒に居ない気がする。やっぱりチームがそれぞれ分かれてしまったせいだろう。


 だから一緒のチームが良かったんだが……まああの時は無理になんて言えなかったしな。そんな事を考えながら、自動ドアを潜る。すると本の匂いが鼻孔をくすぐった。広大なスペースに大量の本。そうここは図書館なのだ。


 まさか俺がこんな場所を利用する日が来るなんて思いもしなかった。けどしょうがない。こんな場所に来ても俺の顔はにやけてしまう。なぜならここで待ち合わせしてるのは――。


「秋君、こっちですよ」

「あっ、はい」


 そう俺の最愛の彼女事、『愛』とここで待ち合わせしてるからだ。俺は愛に相応しい男になると決めたのだ。だからこれからは勉強も頑張る。その為にも、ここで勉強をする様になった。愛と二人で。なんだか甘美な響きに毎回胸がたかなる。


 まあ勉強を教えてもらうだけなら、ぶっちゃけ日鞠に頼るのが一番だ。あいつは勉強出来るだけじゃなく、人に教えるのも異様に上手い。あいつが教えて理解できない奴なんていないんじゃないか? と思うくらいだ。なにせ学校の伝説で部活に精を出し過ぎて勉強を疎かにしてた脳筋共、たった一週間で実力テスト上位に食い込ませたという逸話があるくらいだ。


 けどあいつは基本忙しい。いや愛が暇なんて思わないが、日鞠の奴は高校生なのに普通の高校生とは比較にならないくらい働いてると思う。普通高校生って学校で授業受けて部活やって、人によっては塾やバイトしてってこのくらいだ。


 けどあいつは授業受ける側の筈なのに、授業したり学校の行事取り仕切ったり、はたまた町内の行事取り仕切ったり、町内から飛び出して何かやってたり……もうほんと分けわからないくらいになんかしてる。まあだからこそ一週間くらい学校に顔見せなくてもそんな大事にならなかったんだけど……働き過ぎだとは思う。


 ある意味、日鞠の奴にとってはLROに囚われてたあの一週間は充実してたんじゃないだろうか? 色んなしがらみなかったし、スオウと楽しそうに異世界冒険してたし。多分その効果はあったんだと思う。LROから戻ってきた日鞠の奴は明らかに以前よりも元気だ。


 だから頼めば二つ返事してくれそうだが、単純に俺が愛と一緒に居たいからそれをしなかっただけだ。それに愛だって十分に優秀だ。丁寧に教えてくれるし、いい匂いするし。


 それに図書館で愛と二人でいるのは楽しい……は違うかもだが、おちつく。目の保養になる。なにせ愛が本に視線を落としてる姿とか、ふとした時に髪を耳にかき上げる仕草とか、毎回ぐっと来てるんだ。


 そんな充実した数時間を過ごし、愛とは図書館の前で分かれる。本当はもっと一緒に居たいが、それは今度はLROの中でなんだ。きっちりとやるべき勉強をやってLROで思いっきり暴れる。これが最高の循環を生んでるといって過言じゃない。


 けどまあ、今はLROでも完全にリフレッシュとはいかない。なにせ、俺達のチームはなかなかに追い詰められてるからだ。今日もそれを打開する為に色々と話し合ったり、やったりしないといけない。億劫ではない。けど、出口が見えないことってのは伸し掛かってくるものだ。


 だが突破口はきっとある筈だ。それを見つけ出して、進むことをやめていやらしく上位手前で共闘してるチーム共を蹴散らす方法を見つけよう。

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