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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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 結局スオウの奴には逃げられてしまったか。まあ今は忙しいだろうから仕方ないか。世間はテア・レス・テレスと連合チームの行方にばっかり感心を……まあちょっと前程はしてないけどな。だって大局的に既にテア・レス・テレスが勝利を収めたみたいな見方が強い。


 最初のバトルではスオウが会長こと日鞠を下したが、勝負には勝ったが、試合には負けたからな。しかも大敗だ。そして先日の第二回戦。これもまた大敗だった。前の二つの戦いで得た玉を最終戦で有利なアイテムとかにかえられると発表があった以上、どう考えても最終戦は圧倒的に玉を持ってるテア・レス・テレスが有利になる。


 これまで大敗を続けてる連合チームだ。有利なアイテムも無しに、寧ろ向こうに取られて勝てる見込みがあると思う方が無理があるだろう。アイテムに頼れないのなら、素の力に頼るしかない。けどそれもこれまで大敗してるのを見ると……な。


 連合チームはトップテンのチームが複数参加してるし、デカいだけで個々が弱いって訳でもない筈だ。なのに大敗を喫してる。世間の見方はテア・レス・テレス強すぎにシフトしてる。最初は相手になってないから連合チームの不甲斐なさが色々と叩かれてたが、今や得体のしれない強さにテア・レス・テレス強すぎ説が濃厚だ。


 まあ実際の所、テア・レス・テレスの強さってよくわかって無かったところがある。大きなチームには有名なプレイヤーが複数人いたりするが、テア・レス・テレスは会長以外名の通った奴なんていないし、会長だって別に戦いにおいて名が通ってる訳じゃない。


 今まではテア・レス・テレスというチームのトップだから名が通ってるって印象だったんだ。まあ知ってる奴はあいつがやべーって事は知ってた思うが、テア・レス・テレスってトップの割に得たいがしれないってのがLRO内でも認識だった。


 なにせテア・レス・テレスは突如出てきて、それまで上位争いしてたチームを軒並み棒抜きしてトップに君臨したからな。俺とかは日鞠を知ってるからまたアイツやらかしてるよ……くらいにしか思わないし、情報だって他の奴らよりは得やすいが、全然関係ない奴らには不気味なよう。


 そして今回のバトル。テア・レス・テレス強すぎ説も仕方ないと思える。まああいつがお祭りを盛り上げないのは違和感あったんだけど、もしかしたらこれを狙ってたのかもしれない。テア・レス・テレスはトップにいたが、強さって面では不確かだった。

 いや、トップだから強いのは誰もがわかってた。けど、それを認識してる奴らは多くなかったんだ。実感として。けどそれが今回、実感として全てのプレイヤーたちに周知されてる。最終戦までも圧勝したら……それこそテア・レス・テレスはトップのチームと誰もが認めるだろう。


 そうなると煩わしい、格下からの挑戦が減ったり? するのかも。まあ俺の貧困な想像力がここらが限界だな。それに実際、そのメインの戦いは俺にはそこまで関係ない。


 いやいつかは俺もテア・レス・テレスに挑むつもりだ。いつかはテア・レス・テレスも落ちてるかもしれないと思ったが、今のエリアバトルを見るにそれは無さそうだ。ならそれはそれでいい。俺達のチームがそんなテア・レス・テレスをぶっ飛ばせれば痛快だからな。


 まあだが……


「ヤバいんだよな」


 ……そう、今俺たちのチームはピンチだった。順調に中堅所のチームにはなったが、上位にはまだまだ遠い。そして中堅の上位陣には悉く負け続けてる。どうやら上位と中位、その間の壁にぶち当たってるらしい。負ければ当然、エリアを持っていかれ足りと色々なペナルティがある。


 負けが込むと、後から入ってきたプレイヤーなんかは離れてく場合がある。最近は大きくするためにどんな奴も受け入れてたせいだろう。勝ってる間にはそいつらもよく動いてくれてたが、負けが込むと一斉にやめていく奴らがいっぱいだ。


 そしてエリアバトルも規模が大きくなると、その分メンバーを固定するが難しくなってくる。なので自然とエリアバトル自体の数が減ってく。けどそれじゃあ、いつまで経っても上へはいけない。多分中堅のやつらこの順位でも満足してるやつがいる。


 そしてそういう奴らほど手堅い、負けない策を撃ってきてうざい。しかもそういう奴らはやっぱり一気にチームが瓦解する程の条件をも突きつけないし受けもしないのがね。一気に全部を奪う事も出来ない。まあ奪われなかったからまだ家のチームはあるんだけどな。


 でも小競り合いじゃ上位に行けないのはそいつら自身が証明してるみたいなものだ。次のエリアバトル……俺たちは全てを賭けるつもりだ。


「いや、アイツに頼るのはお門違いだよな」


 あいつだって大変なんだ。それに自分たちの力でいかないと駄目だろう。俺はそういいかせてスマホをとりだした。

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